ウクライナの自治区であるクリミア半島にロシア軍が軍事介入するかもしれないということで、世界に緊張が走っています。
一体、なぜこんな事態になってしまっているのでしょうか?
そこでウクライナ問題の構図を、簡単に分かりやすく解説しながら、その本質に迫ってみました。
ロシア対西欧&アメリカの構造
ウクライナが地理的に厄介なのは、西欧諸国とロシアの間に挟まれているということです。
そのため、国の中では、
西側(西欧諸国側)は、親ヨーロッパ
東側(ロシア側)は、親ロシア
で対立しています。
ウクライナは、1991年に当時のソ連から独立しました。
欧米諸国は、当然、ウクライナをNATOやEUに引き込みたいと思っています。
しかし、ロシア側にとっては、それはとんでもないことです。
何とか、ウクライナが西欧諸国に引き込まれるのを防ぎたいと考えています。
つまり、ロシアと西欧&アメリカの間において綱引き状態がずっと続いているのがウクライナ問題の基本的な構造であり本質です。
オレンジ革命とのその後の展開
2004年にウクライナではある歴史的事件が起こります。
その年の11月21日にウクライナで大統領選挙がありましたが、この選挙で親ロシア派であるヤヌコビッチが勝利しました。
しかし、選挙に負けた親ヨーロッパ派のユニシチェンコが「選挙に不正があった」と主張します。
その主張をヨーロッパやアメリカが後押しをすることによって結局、再選挙をすることになり、ユニシチェンコが勝利を治めます。
(この時、首相だったのが、ティモシュンコという美人政治家です)
再選挙に持ち込まれるまでの政治的な活動や出来事は、オレンジ革命と呼ばれています。
これも結局は、ロシア対西欧&アメリカの争いだったのです。
オレンジ革命では、西欧&アメリカ側が勝利を治めますが、ここでロシアのプーチンが反撃します。
ロシアは、ウクライナへパイプラインを通じて天然ガスを格安で提供していました。
ロシアのプーチンは、ウクライナに対し、
「そんなんだったら、天然ガスを高く売りつけてやる」
といって、最終的には、供給自体をやめてしまいます。
そのため、政治は混乱、ユニシチェンコ大統領は、国民の支持を失っていきます。
そこで再び、台頭してきたのが、親ロシア派のヤヌコビッチ勢力を盛り返して、まずは首相の座につきます。
そして、2010年には、ティモシェンコ元首相と争った選挙に勝ち、大統領となりました。
ところが、今度は、ウクライナの西側を中心とした親ヨーロッパ派の勢力が不満を持ち、どんどんデモを起こすようになります。
そして2014年、身の危険を感じたヤヌコビッチ大統領は、2月22日にロシアに脱出してしまったのです。
ロシア側の言い分
今回のウクライナ、そしてクリミア半島への軍事介入は、西欧諸国やアメリカから見れば、暴挙という感じになっています。
しかし、プーチンは、
1. このままではウクライナ、そしてロシア人が60%を占める
クリミア半島は、親ヨーロッパ派の人達から、危害を加えられる、場合によっては虐殺される可能性が高いから守らないといけない。
2. まだウクライナの大統領であるヤヌコビッチから、ウクライナの住民を守ってくれるよう依頼を受けた。
という理由から、軍事介入は、極めて合法的で正当な手段であると主張しています。
国際情勢は、見方によって何が正しいかなんていくらでも変わるものですよね。
ちなみにもう一つロシアがクリミア半島にこだわる理由があります。
クリミア半島には、ロシアの黒海艦隊が駐留しているからという理由です。
今は、ウクライナにお金を払って、2045年まで借りられるという形になっています。
しかし、ウクライナに親ヨーロッパの政権が樹立されれば、その約束も無効にされて、黒海艦隊が追い出されるかもしれません。
その後は、ヨーロッパかアメリカの軍隊が入ってくるのは、明らかです。
だから、ロシアにとって、クリミア半島は、絶対に守らないといけない場所なのです。
簡単にまとめさせて頂きましたが、その構図や問題の本質がお分かり頂けたでしょうか。
状況は、かなり緊迫してしまっていますが、とにかく、問題がこれ以上、大きくならず、犠牲者が増えないことを
祈るばかりです。
ちなみにこちらの記事(↓)では、ウクライナやクリミア半島が今後どうなるかを分かりやすく解説しています。
ウクライナ情勢が今後どうなるか分かりやすく解説、戦争になる?
さらに、世界情勢や日本のおかれた立場を解説しました。
ウクライナ問題を巡る世界情勢を解説、経済制裁は?日本は?
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クリミア半島の歴史、ロシアとの関わりは?
ウクライナ軍とロシア軍を比較してみました。
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