昔、田舎に行くと田んぼでアマガエルをよく見かけたことがありました。子供の頃は、アマガエルと戯れることもよくあったのですが、時々、こちらに向かって飛び跳ねてくることもあったので、意外と人間のことが好きなのかなと思ったりしていたんですね。
ただ、今になって、もしかしたら、アマガエルは一生懸命育ててあげれば、人間になつくのかなと考え始めるようになってきたので徹底的に調べてみたんですね。そしたら、カエルに慣れてもらって仲良くなる方法とかも、いろいろ分かってきたんです。そこで、この記事では、カエルがなつくのかという点や、上手な飼育方法について詳しく解説していきます。

アマガエルはなつく?本当のところを解説
- 結論:アマガエルはなつくのではなく、慣れるだけ
最初に結論をお伝えすると、アマガエルは犬や猫のように「人になつく」ことはありません。しかし、飼育環境を整え、適切な接し方をすれば、人に慣れることはあります。
一般的に、犬や猫のように人間になつく動物は「社会性」を持っています。群れで生活し、仲間とコミュニケーションを取る習性があるため、飼い主に対しても信頼や愛情を示すのです。
一方、アマガエルは単独行動を好む生き物で、他の個体と積極的に関わることがありません。つまり、仲間意識や社会性がなく、人間に対して「信頼」や「愛情」を持つことはないのです。
それでも、「なつく」という言葉を広い意味でとらえれば、「人間に慣れる」ことは可能です。では、アマガエルが慣れるとどうなるのか、次で詳しく見ていきましょう。

アマガエルが慣れるとどうなる?
アマガエルが飼い主に慣れると、以下のような行動が見られるようになります。
飼い主が近づいても逃げなくなる
飼い始めたばかりのアマガエルは、飼い主の動きや気配に敏感に反応し、すぐに物陰に隠れたり、水槽の壁に張り付いて逃げたりすることが多いですよね。しかし、時間が経つにつれて、飼い主の存在に慣れ、目の前にいても慌てて逃げることが少なくなっていきます。
特に、餌をもらう習慣がついていると、飼い主が近づいてきても「危険な存在」ではなく「餌をくれる存在」として認識するようになり、落ち着いた行動を見せるようになるのです。完全に慣れてくると、手を近づけてもその場にとどまったままになることもありますよ。
餌を与えると寄ってくる
アマガエルには学習能力があり、「この人が餌をくれる」と理解すると、飼い主が近づいただけで餌を期待して寄ってくるようになります。
例えば、水槽のフタを開ける音や、飼い主の手の動きを覚える個体もおり、毎日のルーティンの中で「この時間に餌をもらえる」と理解すると、待ち構えるような仕草を見せることもあるんですね。
また、餌の容器やピンセットの動きに敏感になり、それらを目にすると活発に動き始める個体もいます。こうした行動は、アマガエルが飼い主の存在をポジティブに受け入れ、慣れてきた証拠といえるでしょう。
実際に飼い主に慣れて、餌を待っているかわいいアマガエルの様子は、こちらから見ることができますよ。
手の上に乗るようになる
最初は人間の手を怖がり、近づけるとすぐに逃げることがほとんどですが、慣れてくると自ら手に乗ってくる個体も出てきます。特に、餌を与える際に毎回ゆっくりと手を近づけていると、「手=安全なもの」と認識し、抵抗感が薄れていきます。さらに慣れてきた個体は、掃除の際や餌を与えるときに、手の上でじっとしていることもあるんですね。
ただし、アマガエルの皮膚は非常にデリケートなので、手に乗せる際は、乾燥や汚れがないように注意しましょう。また、体温が高い人間の手はアマガエルにとって負担になることもあるため、できるだけ短時間にとどめることが大切です。
手の上に乗ってくれるアマガエルの様子をこちらの動画でも確認することができます。
ピンセットから餌を食べるようになる
アマガエルが警戒しているうちは、ピンセットで餌を差し出しても食べてくれないことがあります。しかし、飼い主に慣れてくると、ピンセットを見ただけで餌を期待し、飛びついて食べるようになります。
最初のうちは、ピンセットを動かすタイミングや距離感を調整しながら、アマガエルが安心して餌を食べられるようにすると良いでしょう。さらに慣れれば、手から直接餌を食べることも可能になります。ここまでくると、アマガエルとの距離がかなり縮まった状態といえるでしょう。

アマガエルをなつかせる(慣れさせる)方法
では、アマガエルが慣れるためには、どうすればいいのでしょうか。ここからは具体的な方法をお伝えしていきます。
餌やりのタイミングを一定にする
アマガエルと仲良くなるポイントは、なんといっても餌やりです。環境などがコロコロ変わるとアマガエルも落ち着かないので、常に同じタイミング、同じ位置、同じシチュエーションで餌をあげることが大切です。
そうすれば、アマガエルは賢いので餌をもらえるシチュエーションを覚えて、あなたに段々慣れてくれます。カエルの中でもアマガエルは比較的慣れやすい種類なので、早ければ1週間くらいであなたに慣れてくれることでしょう。
最初は遠くから観察する
アマガエルと仲良くなるためには、ご飯の時以外は触らないようにするのがポイントです。長い時間、人間と触れ合うのは、アマガエルにとってはストレスになってしまいます。ご飯をあげるとき以外は、基本的にアマガエルの水槽を、遠くから眺めて観察する程度にとどめる方が良いです。そうすることで、あなたが現れると餌をもらえると学習してくれます。
これを学習してもらえれば、あなたのことを怖がることもなくなり、餌の時は進んであなたに近づいてくれるようになります。アマガエルが「餌をくれ」といった風に近づいてきてくれる姿は、とてもかわいいものです。
ピンセットで餌を与え、徐々に距離を縮める
アマガエルと早く仲良くなりたいからと言って、焦りは禁物です。また、慣れるといっても犬のようになでたり、トカゲなどのようにハンドリングしたりすることは期待しない方が良いでしょう。カエルはそのような、なつき方をする生き物ではないからです。「餌をあげてその時は自分のほうに寄ってきてくれる」、「暮らしている空間をともにしている」くらいのスタンスでいた方がお互い気持ちよく過ごすことができますよ。
そのためなつかないからといって、むやみに触ったり呼びかけたりと、コミュニケーションを取ろうとすると、アマガエルにはとてもストレスとなってしまうので注意したいところです。餌を与えるにしても、いきなり直接手からあげようとするのではなく、まずはピンセットなどであげるようにするなど、徐々に距離を詰めていくのが良いでしょう。

アマガエルを慣れさせるための注意点
アマガエルを慣れさせるためには、やってはいけないこともあります。適切な接し方をしないと、警戒心が強まってしまい、逆に飼い主を怖がるようになってしまうこともあります。以下のポイントに気をつけながら、ゆっくりと時間をかけて慣れさせることが大切です。
無理に触らない
アマガエルは犬や猫とは異なり、人間に触られることを好みません。必要以上に触ると、ストレスを感じ、驚いて跳ねたり、逃げようとしたりすることが多くなります。特に、慣れていない状態で頻繁に手で触ると、アマガエルは「この人は危険だ」と認識し、逆に警戒心を強めてしまう可能性があります。
また、アマガエルの皮膚はとてもデリケートで、強く握ったり、乾燥した手で触れたりすると、ダメージを受けてしまうこともあります。どうしても触る必要がある場合は、手を湿らせ、優しく扱うことを心がけましょう。
体温に注意する
アマガエルは変温動物であり、周囲の環境によって体温が変わります。人間の手の温度はアマガエルにとって高すぎることが多いため、直接触れると体温調節が難しくなり、ストレスを感じることがあります。
触る前に手を冷水で冷やしておくと、アマガエルへの負担を軽減できます。また、できるだけ長時間触らず、必要な時だけ素早く移動させるようにしましょう。
騒がしい環境を避ける
アマガエルは非常に敏感な生き物で、大きな音や急な動きに驚きやすいです。飼育環境が騒がしいと落ち着かず、警戒心を解くのに時間がかかってしまいます。特に、テレビの音が大きい部屋や、頻繁に人が行き来する場所に水槽を置くと、アマガエルが常にストレスを感じてしまいます。できるだけ静かで落ち着いた環境を用意し、飼い主の動作もゆっくりとしたものを心がけましょう。
また、掃除の際や餌を与えるときも、突然水槽に手を入れるのではなく、ゆっくりと動かすことでアマガエルを驚かせないようにすることが大切です。

まとめ
アマガエルは犬や猫のように「なつく」ことはありませんが、適切な環境で飼育すれば「人に慣れる」ことは可能です。
まとめのポイント:
- アマガエルは単独生活を好むため、なつくことはない
- しかし、飼い主の存在を学習し、慣れることはある
- 慣れると逃げなくなり、ピンセットや手から餌を食べることも
- 無理に触らず、焦らず距離を縮めることが大切
アマガエルと仲良くなるためには、焦らずじっくり接することが重要です。適切な環境を整え、ストレスを与えないように飼育することで、より良い関係を築くことができるでしょう。
また、アマガエルと仲良くなるだけでなく、アマガエルに長生きしてもらうためのコツは以下の記事にまとめていますので、ご参考にしてください。
>>なつく小動物はどれ?15種類の動物をなつきやすさの観点から徹底解説
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