ムカデが突然、家の中に現れたら、ドキっとする方は多いのではないでしょうか。残念ながら私もその中の一人なのですが、そんなムカデを殺してはいけないという話を時々、聞くことがあるんですよね。
ムカデは危険な害虫なのに、なぜそのように言われているのか気になったので、いろいろ調べてみたのですが、スピリチュアルな理由がバンバン出てきました。そこで、この記事では、ムカデを殺してはいけない理由について、スピリチュアルな観点と実利的な観点から解説していきます。
ムカデを殺してはいけない理由(スピリチュアル編)
ムカデを殺してはいけない理由を調べてみると、スピリチュアルな理由がいろいろ出てきます。簡単に言うと、ムカデは神様のお使いでであったり、縁起が良かったりするから殺したらバチが当たるよという考え方なんですね。具体的には以下のような理由があります。
- ムカデは毘沙門天様の化身だから
- ムカデは商売繁盛の象徴だから
- ムカデは勝ち虫だから
- ムカデは鉱山の神の使いだから
- ムカデは赤城山の神様の一族だから
- ムカデはご先祖様のおつかいだから
それでは、それぞれの理由について一つずつ解説していきます。
ムカデは毘沙門天様の使いだから
ムカデを殺してはいけないスピリチュアルな理由として一番有名なのは、ムカデは毘沙門天(びしゃもんでん)様の使いだからというものがあります。毘沙門天は、元々は、古代ヒンドゥー教で金運と福徳の神であり、日本では七福神の一つとしても有名です。七福神と聞くだけで、なんだかご利益がありそうですよね。
ムカデは、そのような立派な神様の使いなので、殺してはいけないというのです。ネットでもそのことを指摘するコメントをチラホラと見かけます。
菩提寺のご住職様の右手の甲がパンパンにはれていた
ご病気…違う…何かにさされた後…
虫かしら…
と思って拝見していましたら比叡山ではムカデは毘沙門天様の化身といわれてましてね、決して殺してはなりませんのです
笑
ムカデにヤラれましてね…とのこと
なるほど
毘沙門天様…
殺生禁止です— Tafuku (@I_am_Tafuku) August 16, 2023
ムカデは毘沙門天の使いだから殺してはいけないってお年寄りから聞いた事あります。
— トントロ (@tontoro1974) June 29, 2022
なぜ、ムカデは毘沙門天様の化身と言われるようになったのかは、いくつかの説があります。その中の一つに、毘沙門天様は勝負運を司る神様なので、絶対に後ろに下がらない(下がれない)ムカデを使いとして遣わしたという話があるんですね。
ムカデは商売繁盛の象徴だから
ムカデは足の数が多いことから「客足が増える」ということに繋がり、商売繁盛の象徴だと言われていました。そのため、ムカデを見かけたら、商売繁盛、そして金運アップの予兆だという人もいます。
ムカデが現れるのは、商売繁盛、金運アップの前兆らしいぞ。(ムダに前向き)
— はちみつ屋こっち🐝秩父郡小鹿野町 (@83cochi) May 19, 2023
このようなありがたいムカデを殺してしまったら、せっかくの金運が台無しになってしまうというわけなんですね。
ムカデは勝ち虫だから
ムカデはたくさんの足がありますが、乱れることはなく前にしか進めないという特性から、勇ましさと力強い「勝ち虫」として武士にとっては縁起の良い虫だと好まれてきました。
そのため、戦国時代の武将の間では、ムカデは武具、刀、鎧の飾りとして使われてもいたんです。ですから、特に、仕事などで勝負をかけなければならない人は、ムカデを殺してしまうと、勝ち運が遠ざかってしまうかもしれません。だから、ムカデを殺してはいけないという話になってくるわけです。
先ほど、商売繁盛の件も含めて、ムカデを縁起の良い存在として暖簾に描くようなケースも見られます。
#虫ポケモチーフ講座
マルヤクデのモチーフであるアカズムカデを擁するムカデ類は昔から縁起の良い蟲とされてきました。攻撃性の高さ、絶対に後退しない、卵を温め護るなどの特性から戦国時代には甲冑や旗差物に描かれることもあり、「足が多い」=客足が多いとして店の商売繁盛を願って暖簾に描かれた pic.twitter.com/fqnTUoGkCK— がぎえる@ポケダン空 (@gagieru_Golmosa) January 7, 2020
そういった方からすると、ムカデを殺すのはもってのほかという話になるのかもしれません。
ムカデは鉱山の神の使いだから
ムカデに関するスピリチュアルな話はまだまだあります。ムカデは、鉱山の神の使いとも言われています。なぜ、そんなことが言われているかというと、ムカデの姿が金鉱脈に似ているからです。そのため、鉱山で働く人達にとって神様のような存在だというのです。
そんなムカデを殺したら、鉱山で働く人が怒ってタダでは済まされないかもしれないですね…
ムカデは赤城山の神様の一族だから
ムカデの神様伝説は、実はまだあります。ムカデは、赤城山の神様の一族だから殺してはいけないという説もあるんです。
ムカデは赤城山の神様の一族だから殺してはいけないし、殺せば祟りがある。
ムカデを見たら「ムカデ、ムカデ、赤城へ行け」と言って放してやろう。(栃木の言い伝え) #妖怪— 妖怪bot (@youkai_j) March 24, 2023
そのように言われるようになった背景には、男体山の神と赤城山の神が中禅寺湖の所有権をめぐって対立し、それぞれ大蛇とムカデになって戦ったという言い伝えがあります。そこで、ムカデとなった赤城山の神様は負けてしまったというのですが、それでもムカデは神様の一族から、殺せば祟りが起こると言われるようになったわけです。
ムカデはご先祖様のおつかいだから?
ムカデはご先祖様のお使いだから、殺してはいけないという人もいます。人は亡くなると虫に生まれ変わるという説があるからか、ムカデが家の中に入ってくると「ご先祖様が帰ってきてくださった」と信じる人もいるのです。そんなご先祖様のムカデを殺すわけにはいかないでしょう。
滅多に姿を見せないムカデだからこそ、そのように思われているのかもしれませんね。お盆に家に入ってきた虫を殺してはいけないという言い伝えにも似ていますが、ご先祖様を大切に思うからこそ、ムカデに対しての教えも代々受け継がれているのでしょう。
ムカデを殺してはいけない理由(実利編)
ここまでは、スピリチュアルな観点からムカデを殺してはいけない理由についてお伝えしてきましたが、ここからより実利的な観点からお伝えしていきましょう。具体的には以下の2つの観点があります。
- ムカデは殺すと集まるから?
- ゴキブリを食べてくれるから
ただ、実利的といっても、必ず正しいというわけではないので、その点も含めてお伝えしていきますね。
ムカデは殺すと集まるから?
ムカデを殺してはいけない理由として、ムカデを殺すと仲間が集まるからという人もいます。
ムカデは叩いて殺してはダメですよ。ムカデの仲間が匂いとか汁で寄ってさらに出てきます。
熱湯をかけるとゴムみたいに縮むのでオススメです。昔は親父が焼いて殺してました。— taniyuu (@Taniyuu2516) August 10, 2022
そう聞くとドキッとするかもしれませんが、この説はデマです。ムカデは叩き潰された時のニオイで仲間を呼ぶという話もありますが、実際にムカデにこのような能力はありません。
しかし、ムカデはたくさん卵を生み、子供が大きくなるまでは母親が一緒に行動するという習性があるので、一匹出ると数匹が近くにいる可能性は高いです。また、親子でなくてもムカデは湿った暗い場所が好きなので、同じ場所に数匹集まっていることもあります。
そのような観点から一緒にいた数匹が発見されることもあり、仲間を呼ぶと勘違いされてしまったと言えます。
ゴキブリを食べてくれるから
ムカデはゴキブリを食べてくれるので、古くから「益虫」として重宝されてきました。実はこの話は本当です。ムカデは、肉食性であり、生きた昆虫を食べるのですが、その中でもムカデにとって好物の一つがゴキブリなのです。ネットでも、ムカデはゴキブリを食べてくれるから殺してはいけないと言っている人がいます。
ムカデを殺してはダメですよ。
Gを食べてくれる数少ないタフガイらしいですから。 https://t.co/VKxn29FOpd— 内山高之 / KIGO,CHARGE (@UCHIYAMAtakayu2) July 3, 2023
ゴキブリも害虫の中でも不快な存在ですから、こちらも駆除する必要がありますよね。今でこそ殺虫剤や忌避剤があるので対策ができますが、昔はゴキブリを食べて数を減らしてくれるムカデが役に立っていました。
このように人間に悪影響なものを駆除してくれるムカデは、益虫という名の通り、人間に益をもたらす虫ですので、殺してはいけないという理由に繋がっているのでしょう。
それでもムカデを駆除したい場合は?
このようにムカデには、神様の使いであったり、縁起が良かったりとスピリチュアルな話がたくさんありますし、またゴキブリを食べてくれる実利的な理由もあります。しかし、そういった話を聞いても、「結局、そういうのは迷信でしょう?それにゴキブリは別の方法で退治すればいいんだし。」と考える人もいるでしょう。
考え方は人それぞれですし、実際のところ、足がたくさんあってグロテスクなムカデは、虫が嫌いな人ではなくても気持ち悪いと思ってしまう方は多いですよね。そこで、ここからは、やっぱりムカデを駆除したいという方のために、その方法をお伝えしていきます。
殺虫スプレーを使う
殺虫スプレーを使えば、手軽にすぐムカデを駆除することができます。一般的な家庭用の殺虫剤の成分でもムカデを駆除できるとされています。ただ、心配であれば殺虫剤に記載されている対象の害虫にムカデと書いてあるものを選ぶことをおすすめいたします。
あとは注意書きをよく読んで、換気には気を付けて使用してくださいね。
熱湯をかける
ムカデは、熱湯をかけて駆除する方法もあります。ムカデも他の虫と同じように熱湯に弱いので、50度以上の熱湯をかければ駆除できます。
熱湯ではニオイが残りませんが、熱湯を用意するのに時間がかかるというデメリットがあります。ですから、準備している間は、見失わないように気を付けなくてはいけませんね。
業者に依頼する
ムカデは害虫の中でも毒性があり、噛まれてしまうと大変です。見つけたら放置せずに駆除しなければなりませんが、ちょっとした隙間に逃げてしまい、自分では失敗してしまうこともあります。
そういった点から考えると、いつムカデに襲われるか不安でいるよりは、プロに任せてスッキリと駆除してもらうのが安心なのではないでしょうか。
まとめ
ムカデを殺してはいけない理由はいろいろありますが、その大半はスピリチュアルなものです。また、ゴキブリを食べてくれる実利的な理由もありますが、その一方でムカデが危険な害虫であることは忘れてはいけないと思います。
ムカデに噛まれてしまうと激痛が走りますし、毒があるのでアナフィラキシーショックを起こす人もいます。また、ムカデに噛まれてしまうと病院に行かなければなりません。ですから、見つけたら放っておかずに駆除をするか、家の中から逃がして身の安全を確保してください。そしてどちら方法も難しい場合は、プロである業者に依頼することをおすめします。
ちなみに、個人的には、ムカデは縁起が良いという聞くと「へぇ~、そうなんだあ」と思ってしまう方ですが、それ以上にムカデを苦手に感じてしまう気持ちの方が強いので、迷わず駆除する道を選ばせていただきますm(__)m
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