DINKs(選択子なし)はずるい？あえて反論させていただきます

私の知り合いで、DINKs(選択子なし)の人がいます。その人は20代の男性なのですが、奥さんと話し合って子供を持たないことを選択したそうです。ただ、その人は周りからDINKsはずるいと思われることを結構気にしているようなんですね。

実は私自身、結婚をしてから5年間子供がいなかったのですが、その時、子供を持たない生き方についていろいろ考えたことがあります。そういった事情もあって、DINKsも一つの生き方として尊重をしていくべきであり、周りの人がとやかくいうのはどうなのかなと思っています。

そこで、この記事では、DINKs(選択子なし)はずるいと言われる理由をご紹介しながら、あえて子供を持たない方を擁護する立場で反論意見をお伝えしていきます。

DINKs(選択子なし)はずるいと思われる理由

まずは、DINKs(選択子なし)はずるいと思われる4つの理由をお伝えしていきます。

• 経済的に余裕がある
• 奥さんは専業主婦でいられる
• 老後は若い世代の税金で生活をすることになる
• 社会貢献をしていないように見える

それでは、一つずつ解説していきましょう。

経済的に余裕がある

選択子なし夫婦がずるいと言われる理由の1つ目は、経済的に余裕があるケースが多いからということです。

まず、子供がいる我が家の例を挙げると、私たち夫婦は共働きで、今の私の手取り収入は20万円くらい、妻の手取りは30万円くらいで、手取りだけで考えたら40万円以上はあります。職種や年齢、立場によっても手取り収入は大きく変わりますが、共働きは一人の働き手よりも手取り収入は増えますよね。

ただ、我が家は子供が二人いるので、養育費や教育費がそこからいろいろ差し引かれていきます。いやほとんどが子どものための費用として消えていくと言っても過言ではありません。

妻とは子供の大学資金について話をすることがありまが、一般的に子どもが独立するまでには、1人あたり約1,000万円かかるといわれています。また、これは国立大学へ行かせた場合の話で私立の大学だともっと高くなるケースもあります。そういったことを考えるだけでも、頭がクラっとするので、現実から目を背けてしまうことがもしばしばです。

しかし、選択子なしの夫婦は、そういった子供関係のお金が一切かからないので、当然ながら経済的に余裕が出てきますし、それは精神的な余裕に繋がっていきますよね。ただ、そういった姿は、子供を養っていくためにあくせく働きながら、今後の出費について頭を悩ませている夫婦から見れば、ずるいと見えてしまうところがあると言えるのです。

奥さんは働かずに専業主婦でいられる

選択子なし夫婦がずるいと言われる理由の2つ目は奥さんが専業主婦でも生活ができるという点です。

選択子なし夫婦は、共働きをすることによって貯金をどんどん増やすという選択もできますが、その代わりに奥さんが、働かずに専業主婦になることもできます。どちらの生き方にするか自由に選択できるというのは選択子なし夫婦にとって大きなメリットですよね。実際、選択子なし夫婦は奥さんが専業主婦でも生活が余裕でできるくらいです。

ちなみに子供がいる我が家では、妻が店舗の責任者をしています。残業も多く、いつも私のほうが早く帰宅するので家事や子どものことは私がほとんど行います。店舗責任者は仕事上、人間関係の処理に精神を削られますので、妻も「仕事めんどくさい！やめたい」毎日毎日愚痴っています。

しかし、だからといって妻が仕事をやめてしまうと、子供を養うことができなくなってしまうので、妻にはこのまま仕事を続けてもらうしかありません。

ただ、もし私たちに子供がいなければ、私の収入だけでも生活はやっていけます。そして、妻が専業主婦になってくれれば私が帰宅後に行っているすべての家事負担が減る可能性も高いです。もちろん、妻にとっても、人間関係の精神的負担もなくなりますし、ストレスからかなり解放されるでしょう。

そういった共働きを選択せざるを得ない夫婦から見れば、奥さんが専業主婦をしている子なしの夫婦の方を見るとずるいと感じてしまうところがあるのです。

老後は若い世代の税金で生活をすることになるから

選択子なし夫婦がずるいと言われる理由の3つ目は、税金関連のことです。内閣府が公開している高齢化の状況という資料によると、2055年には75歳以上人口が総人口の26.5％となり4人に1人が75歳以上と予測されています。

つまり、高齢者1人を3人で補助するという形になる試算です。日本が超高齢化になってきているのはずっと前から言われ続けていることで、今に始まったことではありません。しかし、こうやって見てみると、かなり厳しい現実が待ち受けていますよね。

そして、その時の高齢者の生活は結局は、若い世代が納付した税金によって支えられることになります。しかも、未来を支える子供たちが支払う税金は、子供を養うために自らを犠牲にしながら必死で働いてきた夫婦だけでなく、選択子なしとして自由に生きてきた夫婦に対しても、平等に使われるわけです。そうやって考えると不平等に思えてくる話ですよね。

実際、そうやって不満を持つ人たちの中からは、独身税やDINKs税を導入すべきだという意見も出てくるくらいです。

社会貢献をしていないように見える

選択子なし夫婦がずるいと言われる最後の理由は社会貢献していないように思われているということです。先ほどもお伝えしたように、子供を産んで育てれば、そういった子供たちは、未来の国や社会を支える人材となっていきます。

実際、今は少子化問題が深刻化していますが、今のペースで少子化が進むと、内閣府の公開しているデータによると、日本の人口は、

という形で減っていくと言われています。もちろん、その時の状況によって少子化のペースは変わってくるので、細かい数字は変動していくでしょうが、人口が減っていくトレンドにあることは間違いありません。

本来であれば、もっとたくさんの夫婦がどんどん子供を産んでいけば良いのでしょうが、そういった状況の中で、選択子なしを選択するのは、時代的にも、ずるく見えてくる場合があるのです。

DINKs(選択子なし)はずるいわけではない理由

ここまでDINKs(選択子なし)は、なぜずるいと思われるのか、その理由についてお伝えしてきましたが、ここからは、あえて反対の意見をお伝えしていきます。

周りからとやかく言われる筋合いはない

そもそも子供を持つか、子供を持たないかは最終的には本人たちが納得した上で決めることであり、周りの人から、とやかく言われる筋合いはないと言えます。子どもを持つ夫婦は子供を持ちたくて持ったはずです。

それなのに、子供を持たない夫婦に対して文句を言うのはおかしい話ですよね。ましては、少し極端な話をしてしまうと、ずるいとまで考えるのは気持ちが歪んでいるとさえ言えるかもしれません。

最後は自分で責任を持つだけの話

私自身、人にはいろいろな生き方があって良いと思います。ただ、そこで大切なことは自分の生き方は自分自身で選択し、その結果に対しては自分で責任を持つということです。DINKs(選択子なし)の夫婦は、もしかしたら、将来的に後悔をすることになるかもしれません。

しかし、それも自分の選んだ生き方だったと思えば、最終的には気持ちが整理できるはずです。

社会貢献していないと言えない

DINKs(選択子なし)は社会貢献をしていないという人もいますが、そもそも社会貢献とは何をさしているのでしょうか？結婚した夫婦は必ず子どもを作らなければ社会貢献していないと言われるのでしょうか？

私自身は、子供を作ることだけが人生の宿題ではないと思います。確かに子どもが未来で稼ぐべき税収や社会保障費は選択子なしの場合、発生しません。ただ、選択子なしをした夫婦は収入が増えれば、その分、多くの税金を払うことになります。さらに、子供がいない夫婦は、扶養控除なんてないですから、その分、もっと多くの税金を払っているので、決して社会貢献をしていないとは言えないのです。

まとめ

現代社会は多様化の時代とも呼ばれていますが、昔と違って、私たちは様々な生き方を選択できるようになってきました。価値観や生き方が多様化すると、その分、お互いにずるいとかいろいろな感情の軋轢が生まれることもありますよね。

もちろん、そういった感情自体が起こってしまうのはしょうがないと思いますが、それを表に出して表現するのはやはり良くないと思います。

最初に話した私の知り合いは選択子なしを選んで後悔はしていないようです。ですから、そういった人に対しては生き方を尊重する姿勢が必要なんだと思います。そんな感じで、子供がいる夫婦も子供を持たない夫婦も最終的にはうまく共存をして、お互いに協力し合いながら良い社会を作っていければ良いですよね。