先日、会社の同僚が「今年は厄年だから、厄払いをしなくちゃいけないな。」と話していました。ただ、その後、別の同僚が「厄年ってくだらないよね。あんなの迷信だよ。何の根拠もないし。」と言っていたんですね。確かに、世の中にはそう考えている人は多いなと思ったのですが、なぜ、そう言われているのか、その理由がものすごく気になったので、徹底的に調べてみました。
そこで、この記事では、厄年がくだらないと言われる理由について感情的な見解はできるだけ避けつつ、あくまでも客観的な情報をもとにご紹介しつつ、厄年の意外な本当の意味についてお伝えしていきます。
厄年がくだらないと言われる理由
厄年がくだらないと言われる理由は、以下のように4つあります。
- 海外では厄年の設定が異なる
- 厄年に死ぬ確率が上がるわけではない
- 厄年にいい事ばかり起こっている人もいる
- 厄年を金儲けだと思ってしまう人もいる
それでは、具体的にどういうことなのかお伝えしていきましょう。
海外では厄年の設定が異なる
厄年の年齢(数え年)は、日本では以下のようになっています。
- 男性:25歳、42歳、61歳
- 女性:19歳、33歳、37歳、61歳
ただ、ここで「海外での厄年ってどうなっているのかな?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は海外を見渡してみると中国、イギリス、スペイン、トルコ、エジプトなどで厄年のようなものがあります。しかし、厄年と言われる年齢が日本とは全く違うんですね。海外での厄年や厄払いの方法については以下の記事でまとめています。
そういった話を聞くと「日本の厄年って、一体何なんだろう…」という気持ちになって、そこから厄年ってくだらないという考えに到っても不思議ではないでしょう。
厄年に死ぬ確率が上がるわけではない
厄年には体調を崩して病気になると言われたりしていますよね。ただ、もしそれが本当なら前厄や後厄も含めて厄年と関わる年齢の時は死亡率が増える統計学的なデータが出てくるはずです。つまり、男性であれば数え年で42歳、女性であれば数え年で33歳に迎える大厄の年には、死亡率がさらに上がるというデータが出ていても不思議ではありません。
ただ、厚生労働省から発表されている簡易生命表のデータから分析してみると、厄年だからといって死亡率が上がっているという数値は見られませんでした。その内容は以下の記事で詳しくまとめています。
確かに、厄年の時に病気になる人たちがいらっしゃるのも事実です。ただ、それは厄年だから病気になったというわけではなく、病気になった時がたまたま厄年だったという見方もできます。同じように病気になっても、厄年の時だけ、周囲の人たちに「厄年だから病気になった」と伝えることは多いので、結果的に厄年は病気になりやすいと思いやすいのかもしれません。
しかし、こういった統計学的なデータを見れば、厄年だからといって死ぬ確率が高くなるわけではないので、そういった話を「なんだ、厄年ってくだらないな」と思う方もいらっしゃるのです。
厄年にいい事ばかり起こっている人もいる
厄年になったら、とにかく悪いことがたくさん起こるのではと心配する方もいらっしゃいますよね。しかし、その一方でネット上では、厄年なのにいい事ばかり起こっているという方も、かなりいらっしゃいます。
そういう方の意見を見てみると、結局、厄年うんぬんの問題ではなく、その人がどういう心構えで日々を生活を生きているかが重要なのではないかと思えてきます。実際、厄年をあまり気にしすぎて、心配をしてしまうと、そういう心の状態が悪いことを引き寄せてしまっているのかもしれません。
そのため、厄年を気にしていない人を見ると、厄年を気にしすぎて、少しでも悪いことが起こると「厄年だから」と大騒ぎしている人を見て、厄年はくだらないという発想になりやすいとも言えるのです。
厄年を金儲けだと思ってしまう人もいる
厄年になると、神社に行って厄払いをしますよね。厄払いの費用は地域や神社によっても異なりますが、相場の費用は大体5,000円~10,000円ぐらいだと言われています。莫大な金額ではありませんが、決して安いわけでもありません。そういった状況を見て、厄年は結局、神社の金儲けのために利用されているだけなのではないかという人もいます。
例えば、以下のようにコメントされている方もいらっしゃいます。
厄年というのは、神社が金儲けのためにでっち上げたものですよね。
人に不安を与えて、お払いの名の元に金
厄年というのは、神社が金儲けのためにでっち上げたものですよね。
人に不安を与えて、お払いの名の元に金を巻き上げるのは、宗教の大義から見ていかがなものかと思います。引用元:知恵袋
ただ、ここら辺は、少し穿った見方であるようにも思えます。実際、厄年は日本の伝統的な文化としてあるものですし、そこで厄払いをしたいと思っている要望に対して、応えるというのは自然な流れでもあると思うからです。
厄年の本当の意味って何?
厄年はくだらないという話をいろいろ聞いていると「結局、厄年の本当の意味って何?」って思ってしまいますよね。私自身も、厄年だからといって、いろいろ不安になってしまって、その不安から、逆に良くないことを自ら呼び寄せてしまうのではないかと思ってしまうところがあります。
ただ、厄年が本当にくだらないものであれば、厄年や厄払いの文化自体が意味のないものになってしまいますよね。ただ、厄年が結果的に、その人に幸せをもたらすものであれば、必要なものであるとも思うのです。そういったところから、厄年の本当の意味は何なのかと、今一度、調べてみると、実は意外な見方が出てきます。
その点について許麻神社では、厄年の本当の意味について、興味深い見解を出されていました。
「神様にお仕えする大事な役目を任される年」がもともとの「役年」でしたが、無事にお役目を果たすためには、普段に増して病気や怪我、家庭的・社会的な様々なトラブルを避けなければなりません。
そのために物忌(ものいみ)と言って、言動に注意し、心身を清浄に保つ必要がありました。大切な役年は、いつも以上に災難に敏感な時期でもあった訳です。
それが、いつしか災難を気にする面が強調され、現代のような「厄年」のイメージが定着していったと言われています。
引用元:厄年の意義
つまり、厄年の本当の意味は「役年」だというわけです。そして、役目をしっかり果たすために、病気や怪我、そして社会的なトラブルを防ぐのを目的として、厄払いをしたというのが元々の経緯でした。しかし、時が流れるにつれて、災難を防ぐという側面だけが強調され、厄年には悪いことが起こると思う人が増えてしまったというわけなんですね。つまり、現代における厄年の一般的なイメージは厄年の本当の意味とは少しかけ離れてしまっていると言えるのです。
ですから、厄年をくだらないと思うのではなく、厄年の本来の意味と正しく理解をしていくのが大切なことではないでしょうか。
まとめ
厄年はくだらないという人は多いですし、その根拠となるデータを見てみると、確かに納得できるような内容があるので、厄年はただの迷信だと思ってしまう方もいらっしゃるかと思います。
ただ、そもそも厄年の本当の意味を調べてみると、元々、厄年は災難が起こる年だという話が最初にあったわけではなく、大きな役割を担う年であったので、そういった大切な時に災難に巻き込まれないようにできたという話が出てきます。
そういった厄年の本当の意味を理解すれば、厄年はくだらないという考え方にはなりづらいのではないでしょうか。厄年を迎えた方はぜひ前向きな気持ちで日々を過ごしていただければと願うばかりです。
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