私の会社にはとても心配症の人がいるのですが、先日「今年は大厄だから、もしかしたら死ぬんじゃないかな?」という話をしていたんですね。私自身、そこまで厄年を信じるタイプではないのですが、会社の同僚がそこまで心配をしているので、本当のところはどうなるのだろうと気になって徹底的に調べてみることにしました。
そこで、この記事では厄年に死ぬ確率は高いのかという点について、統計データや科学的なデータから調査した内容を解説していきます。
厄年に死ぬ確率は高いの?
結論を最初にお伝えすると、
- 厄年に死ぬ確率は高いということはありません。
そう断定できるのは、客観的な理由があるからです。そのことをお伝えするため、以下の3つの手順で解説をしていきます。
- 厄年はいつなのかデータを整理
- 厚生労働省の簡易生命表からデータ分析
- 75万人からのデータ分析の結果
それでは順番に見ていきましょう。
厄年はいつなのかデータを整理
最初に、厄年はいつなのか簡単に整理しておきますね。厄年は男性と女性で以下のように分かれます。
- 男性:25歳、42歳、61歳
- 女性:19歳、33歳、37歳、61歳
そして、それぞれの年齢の前後は前厄、後厄と呼ばれていますが、特に男性の42歳、女性の33歳は大厄と呼ばれていて、その前後の年齢である前厄やと後厄は特に忌むべき年齢と言われています。
また、ここでの年齢は満年齢ではなく数え年です。数え年は、生まれた時を1歳として1月1日を迎えるごとに1歳歳を取るという数え方です。ですから、満年齢に関する場合は、その年に誕生日を迎えた時の年齢-1歳で算出することができます。
そのことを理解された上で、以下の厄年の一覧表をご参考にしてください。
男性の厄年
前厄 | 本厄 | 後厄 |
---|---|---|
24歳 | 25歳 | 26歳 |
41歳 | 42歳(大厄) | 43歳 |
60歳 | 61歳 | 62歳 |
女性の厄年
前厄 | 本厄 | 後厄 |
---|---|---|
18歳 | 19歳 | 20歳 |
32歳 | 33歳(大厄) | 34歳 |
36歳 | 37歳 | 38歳 |
60歳 | 61歳 | 62歳 |
このデータを元に厄年は死亡率が本当に高くなるのか、統計と科学(医学)の視点から解説をしていきます。
厚生労働省の簡易生命表からのデータ分析
まずは、厚生労働省が出している簡易生命表のデータから分析をしていきましょう。
簡易生命表では、各年齢との死亡率を算出しているのですが、もし厄年に死ぬ確率が高いのであれば、厄年の年では、死亡率が上がっているはずです。また、厚生労働省のデータでは、満年齢なので、厄年の年齢から1を引いた年齢の死亡率を表にしていくと以下のようになります。
男性の年齢ごとの死亡率
前厄の前年 | 前厄 | 本厄 | 後厄 | 後厄の翌年 |
---|---|---|---|---|
23歳 0.00050% |
24歳 0.00049% |
25歳 0.00047% |
26歳 0.00046% |
27歳 0.00046% |
40歳 0.00090% |
41歳 0.00097% |
42歳(大厄) 0.00105% |
43歳 0.00114% |
44歳 0.00122% |
59歳 0.00527% |
60歳 0.00581% |
61歳 0.00645% |
62歳 0.00715% |
63歳 0.00787% |
女性の年齢ごとの死亡率
前厄の前年 | 前厄 | 本厄 | 後厄 | 後厄の翌年 |
---|---|---|---|---|
17歳 0.00016% |
18歳 0.00018% |
19歳 0.00020% |
20歳 0.00023% |
21歳 0.00025% |
31歳 0.00032% |
32歳 0.00033% |
33歳(大厄) 0.00034% |
34歳 0.00035% |
35歳 0.00038% |
35歳 0.00038% |
36歳 0.00041% |
37歳 0.00048% |
38歳 0.00048% |
39歳 0.00051% |
59歳 0.00257% |
60歳 0.00274% |
61歳 0.00294% |
62歳 0.00320% |
63歳 0.00351% |
上記の表を見れば分かるように、厄年だからといって死亡率が他の年齢の時と比べて、特段に高くなっているわけではありません。死亡率に関しては、男女を問わず、あくまでも年齢が増加すると共に少しずつ大きくなっています。
ですから、このデータを見る限り、厄年だからといって死亡率が高くなるということはないことが分かります。
75万人からのデータ分析
今度は、科学的なデータに基づいた検証結果です。茨城キリスト教大学の名誉教授である板倉弘重医師が約75万人のデータから出した病気が発症しやすい年を算出したのですが、そのデータは以下のようになっています。
次ページにも記したが、板倉医師らが算出した新・厄年は次のとおり。
〈男性〉24歳、37歳、50歳、63歳
〈女性〉25歳、39歳、52歳、63歳引用元:週刊現代
先ほどの厄年の表と合わせると、以下の年齢が厄年と重なっています。
- 男性の24歳:本厄(数え年の25歳)
- 男性の63歳:後厄(数え年の62歳)
- 女性の38歳:後厄(数え年の39歳)
- 女性の63歳:後厄(数え年の62歳)
ただ、全体的にはかなりズレているところが多いので、このデータから見ても、厄年に死ぬ確率は高いとは言えません。
ちなみに、板倉医師が指定した年齢でなぜ病気が発症しやすいのかという点について、記事の内容を簡単に要約をすると以下のようなことが書かれていました。
- 24歳・25歳:大学を卒業した後、社会に出て自由に食事ができるようになると太って病気になりやすくなる。
- 37歳・39歳:肥満による糖尿病やそれに伴う心疾患のリスクが上昇する。特に女性の場合は乳がんの発症率が上がってくる。
- 50歳・52歳:男性は職場で要職に就く中でストレスなどで病気の発症率が上昇する。女性は閉経を迎えて女性ホルモンが急激に減少して体調を崩しやすい。
- 63歳:男性ホルモンや女性ホルモンが減少して抗酸化作用が低下し、骨粗しょう症が増えやすくなる。特に男性は定年を迎えて生活環境が変わっていく中で体調に悪影響が出やすい。
厄年は元々は平安時代に起源を持ち、江戸時代に民衆の間で広まったと言われています。しかし、現代社会は昔と違って寿命もかなり延びましたし、社会体制も大きく変わりました。ですから医学的な観点から見た病気になりやすい年齢が厄年とずれるのはある意味、自然な流れなのかもしれません。
まとめ
厄年と聞くと、その言葉が持つイメージはかなり強いので、その年には、いろいろな災難が起こったり、病気になったりして死亡率は高くなってしまうのではないかと漠然と不安に思う方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、統計データや科学的なデータを客観的に見てみると、厄年に死ぬ確率が高いわけではないことが分かります。もちろん、厄年は昔から伝わる概念なので、ある程度は気を付けた方が良いのかもしれません。ただ、過剰に心配をしすぎて不安を抱えてしまうのもどうかと思いますので、冷静になって余計な心配をぜずに過ごされることを願っています。
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