以前、私が勤めている会社の上司の奥様が入院されたことがありました。上司も奥様のお見舞いやお子さんの世話などで、少し有休を取られたりしていろいろ大変そうだったんですね。
普段、上司にはお世話になっていたので、何か気の利いた言葉をかけることができればと思ったのですが、その時は、ビジネス上の表現にあまり慣れていなくて、結局、躊躇してしまいました。ただ、今から振り返れば、少し後悔しています。
もちろん、一緒に仕事をしている人のご家族が入院するということは起こってはならないのですが、毎日、仕事の関係でたくさんの人たちと接していると、いつ何があるか分かりませんよね。そこで、そんな時に贈れるようなメッセージや表現について考えてみることにしました。
この記事では、家族が入院した人にかける言葉について、特にビジネスの場で使える例文や表現、そして注意点について、まとめた内容をお伝えしていきます。

家族が入院した人にかける言葉の例文
家族の入院は、誰にとっても大きな出来事ですが、特に、上司や同僚、取引先の相手などビジネス関係の人に対して適切な言葉をかけることで、相手の心情に寄り添うことができます。一方で、ビジネスではフォーマルな言葉遣いが求められるため、感情に流されすぎず、慎重に言葉を選ぶことが大切ですよね。
そこで、ビジネスシーンで、家族が入院した人にかける言葉を相手別に3つのパターンに分けて例文を作ってみました。
- 上司から部下
- 部下から上司
- 取引先の相手の場合
伝える内容の本質は変わらなくても伝え方はいろいろ変わっていくので、そういった点も注意しながら例文をご参考にしてください。
上司から部下
部下の家族が入院した場合、部下は家族のことが気になっても、仕事で迷惑をかけてはいけないといろいろ気を遣ってしまっているものですよね。ですから、そういった時は、必要以上に仕事の心配をしなくても大丈夫な旨を伝えて、家族のお見舞いに集中できるような言葉をかけてあげることが大切です。例文をご紹介するとこんな感じです。
メールでの例文
心配と配慮を伝えるシンプルなメッセージを伝えたい時はこんな感じで書いてみると良いでしょう。
現在はご家族のケアに集中されることが一番大切かと思います。お仕事の方は、私やチームでフォローしていきますので、安心してご対応ください。
○○さんご自身も体調には気をつけてくださいね。一日も早いご回復を心からお祈りしております。
お大事にしてください。
チーム全体のサポート体制を伝える配慮あるメッセージはこのような感じになります。
今はお仕事よりもご家族のケアを優先していただき、少しでも安心して過ごせる時間を持っていただきたいと思います。お仕事のフォローについては、チーム全体でしっかりとサポートしますので、何か気になることがあれば遠慮なくご相談ください。
○○さんのご家族の早いご回復を心からお祈り申し上げます。
長期的なフォローを示唆する心温まるメッセージを送りたい時は下記のようなメッセージを送ってみるのはいかがでしょうか?
当面の間、○○さんが安心してご家族のケアに集中できるように、私やチーム全員でフォローいたします。長引く場合も対応を調整しますので、ご遠慮なくお知らせください。
○○さんも無理をせず、まずはご自身の健康にも十分お気をつけください。一日も早いご回復をお祈りしております。
会話での例文
直接、会って話す時は以下のような言葉を伝えてあげると良いでしょう。
部下から上司
上司の家族が入院した場合、責任感の強い上司であればあるほど、強いプレッシャーを感じたりしてしまうものです。ですから、そういった上司をしっかり支えてあげられるような言葉をかけてあげられると、上司もすごく励まされると思いますよ。例文をご紹介していきます。
メールでの例文
まずは、心配と配慮を伝えるフォーマルなメッセージです。
お辛い状況かと存じますが、どうかご無理をされませんように。お仕事のことは私どもがしっかりと対応いたしますので、今はご家族のことを最優先にしていただければと思います。
ご家族の一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。何かお手伝いできることがございましたら、どうぞ遠慮なくお知らせください。
気遣いとサポートの意志を示す気持ちを伝えたい時は以下のようなメッセージを送ると良いでしょう。
何かお力になれることがございましたら、どうぞ遠慮なくお申し付けください。私どもでできる限りのサポートをさせていただきます。
ご家族が一日も早く回復されることを心よりお祈り申し上げます。
上司の体調を気遣う温かいメッセージはこんな感じです。
大変なご状況かと存じますが、○○部長ご自身もどうぞご無理をなさらず、お身体を大切にしてください。お仕事の方は、私どもでしっかりと対応して参りますので、少しでも安心していただければ幸いです。
ご家族の一日も早いご快癒を心よりお祈り申し上げます。
会話での例文
会話の中では、以下のような言葉をかけてみてください。
取引先の相手の場合
取引先の家族が入院をした場合、本来であれば、そこまで気をかける必要はないのかもしれません。ただ、取引先の人も仕事上の大切なパートナーなので、そういった事情を知りながらも何も声をかけないのは残念ですよね。ですから、こういった時こそ、相手を気遣う言葉を送ると良いでしょう。
メールでの例文
まず、丁寧にお見舞いを伝えるフォーマルなメッセージは以下のような感じになります。
このたび、〇〇様のご家族がご入院されたと伺い、心よりお見舞い申し上げます。さぞご心配のことと存じますが、どうぞご無理をなさらず、ご家族のケアを最優先になさってください。
お仕事の件につきましては、〇〇様のご都合が整い次第で結構でございますので、ご安心くださいませ。
ご家族の一日も早いご快癒をお祈り申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
配慮と仕事のスケジュール調整を伝えるメッセージを伝えたい時は以下のようにしてみてください。
ご家族がご入院されたとのご連絡をいただき、心よりお見舞い申し上げます。大変な時期かと存じますので、どうぞお身体にお気をつけてお過ごしください。
お仕事に関しましては、当面の間、柔軟にスケジュールを調整させていただきますので、どうぞご安心くださいませ。ご家族のケアを優先していただければ幸いです。
ご家族の早いご回復を心よりお祈り申し上げます。
何かご必要なことがございましたら、どうぞお気軽にお知らせください。
返信不要の配慮を伝えることも大切ですよね。
このたびは、ご家族のご入院と伺い、大変驚いております。さぞご心配のことと存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、こちらのメールに関しましてはご返信いただく必要はございません。今はどうぞご家族のケアを最優先にされてくださいませ。
ご家族の一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。お困りのことやご相談がございましたら、いつでもご遠慮なくお知らせください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
会話での例文
会話のなかでかける言葉についても例文をお伝えしておきます。

家族が入院した人にビジネスで使える表現
家族が入院したという人が友達であれば気軽に言葉をかけることができますが、ビジネス関係の人だとどういう言葉を遣ったら良いのか悩んでしまいますよね。そこで、ここでは、そんな時に使える表現をお伝えしていきます。
お見舞いの気持ちを伝える表現
- お見舞い申し上げます。
- 心からお見舞い申し上げます。
大事にするよう伝える表現
- お大事にしてください。
- お大事にされるよう伝えてください。
- お大事になさってください。
- お大事になさるようお伝えください。
- 養生されるようお伝えください。
回復を願う表現
- ご家族の方の一日でも早い回復を願っています。
- ご家族の早い回復を祈っています。
- ご家族が早く回復されますよう心から願っております。
- ご家族が早く退院できることを願っています。
- ご家族が早く元の生活に戻れることを願っています。
このような形で、基本的な表現を押さえつつ、あとはしっかりと気持ちを込めるようにしてくださいね。
家族が入院した人に言葉をかける時の注意点
ここまでは例文をいくつかご紹介してきましたが、ここからは家族が入院した人に言葉をかける時、注意した方が良いポイントについてお伝えしていきます。
症状について詮索しない
ご家族が入院したという話を聞くと、一体、どういった病気、または怪我で入院をすることになってしまうのか、いろいろ気になってしまうかとは思います。しかし、だからといって、症状について根掘り葉掘り尋ねることは控えた方が良いです。
相手の症状はプライバシーに関わることですし、相手もそっとしておいて欲しいと思っている時が多いものです。もちろん、相手がいろいろ話したい時は、聞いてあげることも大切ですが、こちらからわざわざ聞くようにはしないようにしましょう。
メッセージは簡潔に
家族が入院した方へ言葉をかける際、長々と文章を書いてしまう方がいらっしゃいますが、こういった時のメッセージは短く簡潔にまとめた方が良いです。家族が入院した場合は、家の中がいろいろな意味でパニックになって余裕がない状態になってしまいます。
そういった時に、長々としたメッセージを送ってしまうと、相手はそれを読むだけでも負担になってしまいますよね。ですから、気持ちを込めつつも、要件だけをしっかり伝えるような内容にするのが良いでしょう。
仕事面での心配をさせない
家族が入院した人は、いろいろと忙しくなってしまうので、仕事に集中ができなくなってしまうことが多いです。やむを得ない事情とは言え、本人はそのことをいろいろと気にしてしまうものですよね。
ですから、そういった場合は、仕事の心配をしないようにさせてあげることが、とても大切です。確かにその人がいないとうまく仕事が回らず、大変かもしれません。しかし、困った時こそお互い様です。特に相手が普段お世話になっている人であれば、なおさら、相手が仕事の心配をしなくて済むような言葉をかけてあげて、しっかりサポートをしていってあげましょう。
無理にがんばれと言わない
家族が入院している人の中には本当に大変な状況にある人もいます。そういった人に対して、あまり軽々しい気持ちでがんばるように伝えると相手にとってプレッシャーになってしまいます。
また、相手も気持ち的に弱りやすいタイミングなので、がんばってと伝えると負担を感じてしまうリスクが高いです。ですから、そういった時は、無理にがんばれという気持ちを伝えるのではなく、相手の力になってあげるという気持ちを伝えられるよう心掛けていくと良いでしょう。

まとめ
家族が入院した人は、いろいろな意味で気苦労をしていたり、辛い思いをしていたりしていることは多いです。また、そういう人を横から見ている側としてもいろいろ心配になってしまうものですよね。
一緒に仕事をする立場ではあるので、ビジネスの観点から守るべき表現のルールはありますが、そういったルールは守りつつも、誠意のこもった言葉をかけることを通じて、相手の気持ちを少しでも楽にしてあげられることを願っています。
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