子供のころ、太陽を赤で塗るか、黄色で塗るか迷ったことありませんか。燃えるような赤もいいけれど、穏やかな暖かい黄色も太陽を表す色としてよく使われますよね。
このように、黄色は明るく暖かみを感じる色です。ほかにも黄色が持つ心理効果として注意を促したり、気分が明るくなったりする効果もあります。気分が落ち込んでいる時に、明るい黄色のワンピースやTシャツを着ると、なんだか華やかな気分になれるのはこのためです。
そんな明るい気分にさせてくれる黄色ですが、絵の具などでも使いどころが多く、すぐに切らしてしまうという方も多いのではないでしょうか。私はカラーコーディネーターの資格を持っているのですが、その視点から、黄色の作り方があるかという話や、黄色にまつわるお話をお伝えしていきます。
黄色の作り方はある?
まず、結論から言うと
- 黄色は、他の色を混ぜて作る方法がありません。
黄色を使って様々な色を作ることはできますが、元となる色の黄色は作り出すことはできないのです。
黄色は作れない理由
黄色は、色の三原色の一つです。色の三原色とはシアン・マゼンダ・イエローを指します。この三原色を使って様々な色を作り出すことはできるのですが、逆に様々な色の元である三色は作りだすことができません。
絵の具は減法混色といって、混ぜれば混ぜるほど色が暗く濁ったようになってしまいます。絵の具の黄色は、とても鮮やかで明るい色をしていますよね。他の色を混ぜて作ろうとすると、どうしても鮮やかさが失われてしまうので、混色で作ることはできないのです。
無理矢理作ろうとしてみると
ただ、黄色は他の色を混ぜて作れないと言っても、どうにかして近い色でもいいから作れないかなと考える方もいらっしゃるかと思います。そこで、かなり無理矢理ではありますが、いろんなところで売られている、学童用の水彩絵の具12色セットで、黄色に近い色が作れるのか試してみたいと思います。
黄色を作るということで、黄色が含まれた色を絵の具の中から選びます。黄緑は黄色と緑、オレンジ色は黄色と赤でできています。こちらを使って黄色を作ってみましょう。このままでは色が濃いので、水を使って色を薄くのばします。それを、そのまま塗ると、それぞれ、こんな感じになりました。
まだ濃いので白を混ぜてみると、それぞれ、以下のようになります。
この効果を身近なところで感じるのは、服を着た時に顔色が悪いなとか逆に顔色がいいなと思う時です。顔周りにある服の色につられて、顔色の見え方も変わって見えるのですね。
よく、イエベやブルベなんてことば聞いたことありませんか?これはパーソナルカラーを診断する時の用語です。肌の色に合わせて洋服やお化粧の色を考えている時は、この色相効果を用いているのです。
黄色に近い色の作り方
黄色をほかの色でつくることは、難しいことがわかりましたね。ここからは、手持ちの黄色に他の色を加えて、様々なニュアンスの黄色を作っていきましょう。
黄土色の作り方
まずは黄土色の作り方です。黄色のよりあざやかさは控えめですが、明るく優しい印象がありますよね。柔らかい日の光や、猫や犬などの優しい毛並みなど使える場面はたくさんあります。
自分好みの黄土色が作れると、このようないろんな場面で重宝しますよ。そんな柔らかな黄土色は、黄色に茶色を混ぜて作ります。比率は黄色3:茶色1です。これ以外にも黄土色は、様々な色の混色で作ることが出来ます。こちらの記事でもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
山吹色の作り方
山吹色は日本の伝統色の一つで、黄色単体よりも少し赤みを帯びています。山吹という花があり、その花の色です。別名黄金色とも呼ばれていますが、ゴールドのような金属の光沢はありません。しかし、金色を描き表すときに山吹色は重宝しますよ。
そんな山吹色は、黄色とほんの少しの赤で作ります。こちらもまた別の記事で詳しくご紹介していますので、併せて見てくださいね。
まとめ
黄色は色の三原色なので、他の色と混ぜて作ることができないことがわかりましたね。黄色は他の色と混ぜて、様々なニュアンスを出すのにとても重宝するのですぐに無くなってしまう人も多いでしょう。とても目立つ色なので、アクセントカラーとしてもとても重要な役割を持っています。
黄色は特に東洋ではポジティブな意味に捉えられることが多く、日本でも昔、幸せの黄色いハンカチが流行ったり、現在ではドクターイエローを見たらラッキーなんてうわさがあったりしますよね。黄色は、そんなポジティブで明るいイメージを持っていますが、ぜひいろんな色と混ぜて自分好みの素敵な黄色を作ってみてくださいね。
>>絵の具を使った色の作り方一覧!混ぜ方のコツも分かりやすく解説
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