パワハラを訴えることで、気分がスッキリするだけでなく、慰謝料が手に入ると思っていませんか?
確かに、パワハラ行為に対して何もせずに泣き寝入りすることと比べれば、精神的にも、たとえ少額であれ金銭的にもプラスになると考えますよね。実際、パワハラを訴えた方が、メリットがあると思ってしまいがちです。
しかし、あなたが思っている以上にパワハラを訴えることは簡単ではなく、デメリットも多いので注意が必要です。
こちらの記事では、パワハラを訴えるデメリットを9つの観点から解説していきます。
パワハラを訴えるデメリット
パワハラは、受けた人を精神的かつ肉体的に追い詰める最低な行為です。最悪、死に繋がることもあります。
ただ、パワハラを受けたことを訴えるのは、とてつもない勇気が必要ですよね。また、勇気を振り絞ったにも関わらず、訴えた事によるデメリットの方が多いと、元も子もありません。
ですから、デメリットを知った上でパワハラを訴えるかどうか判断することも、身を守る選択肢の1つだと言えます。
では、以下の9つのデメリットを見ていきましょう。
社内での立場が危うくなる
パワハラを訴えるということは、会社を訴えるということです。会社を訴えた社員は、会社の経営者にとっては煙たく、リスクのある存在になってしまいます。
会社からしたらリスクのある人材は必要ないですよね。そうすると出世の道は閉ざされたも同然です。裁判後のため、分かりやすく評価や待遇を変えることはないにせよ、少しずつ退職へ導かれる可能性大です。
また、社内ではパワハラを訴えた人として見られるようになり、居心地の悪さも感じることになるでしょう。結果、パワハラを訴えたことで、転職をせざるを得ない状況になるかもしれません。
転職活動に影響がでる
どこの会社も訴えられたくないのは当然のことです。前の会社でパワハラを訴えた人間を採用するには、リスクを背負うことになります。それは、「パワハラを訴えることができる人間」として見られてしまうからです。
そのため、パワハラを受けた会社を辞めて転職しようとする際は、敬遠される可能性が高いでしょう。
弁護士費用が高い
パワハラを訴える人にとって、最大の目的は慰謝料を受け取ることではないかもしれませんが、想像以上に金銭的にプラスにはなりません。
それは、弁護士費用が高いからです。最低でも、数十万円はかかると言われています。
裁判で勝てたとしても慰謝料が雀の涙といったことが起こる可能性は高いです。さらに、裁判に負けてしまえばダメージの大きさは計り知れませんよね。
判決が出るまでに時間がかかる
裁判は通常1年以上の期間がかかると言われています。さらに、2審、3審へと進むことになれば、数年以上もの期間が判決までにかかります。長くなればなるほど、精神的にきつくなることは容易に想像できますよね。
さらに、裁判が続いている間は会社での居心地は悪いですし、たとえ転職したとしても、裁判が続いている限り、気持ちがスッキリすることはないでしょう。パワハラはすぐに解決する問題ではないのです。
プライバシーが裁判で公にされる
裁判のルールとして、非公開で裁判を開くことは不可能です。裁判は誰でも見学できるようになっており、プライバシーは公になってしまうからです。
訴える側にとっては、かなりのデメリットですが、ルールのため要求は受け入れてもらえません。パワハラを訴える場合は、プライバシーを犠牲にする覚悟が必要です。
必ず勝てる保証がない
パワハラを受けた本人は、勝てると思って訴えるかもしれませんが、残念ながらパワハラを訴えても必ず勝てるわけではありません。負けてしまうことも当然あります。
裁判で勝つには証拠がなりよりも必要です。証拠がないのに訴訟を起こしても勝ち目はありません。
とはいえ、証拠を集めることって、探偵でもない人間には難しいですよね。必ず勝てる保証が無いにも関わらず、ただ心身や経済面でダメージを受けてしまうこともあり得るのです。
逆に訴えられるリスクがある
どうしても訴えられた側にも言い分がうまれます。正当な指導を行ったが、部下がパワハラだと主張してきたと会社や弁護士に相談するでしょう。そして、裁判では正当な指導であったことを説明してきます。
客観的に判断する場合、パワハラかどうかの違いが微妙なことが多いです。だからこそ裁判をするのですが、逆に訴えられるリスクがあることを知っておかなければなりません。
精神的にキツイ
パワハラを訴える前から、すでにパワハラにより精神的ダメージを受け続けているのに、さらに裁判を開くことにより負担は増えてしまいます。
最初は「必ず恨みを晴らしてやる!」と意気込むかもしれませんが、裁判は長期戦のため、どうしても疲れてしまいます。長い間、ストレスを感じ続けるというのは、精神的にとても辛いことですよね。
また、人を恨み続けることで負の感情を持ち続けることも、精神的に辛いことに間違いありません。
パワハラの相談窓口は?
パワハラはどこに相談すればよいのでしょうか?会社に相談しても動いてもらえない場合もありますよね。そのような場合、以下の相談先があります。
相談先 | 弁護士に相談すると早期解決が見込めます。しかし、弁護士費用が高いことがデメリットです。 |
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ユニオン(労働組合) | 企業側にはユニオンの交渉に誠実に応じる必要性があります。交渉がうまくいけばパワハラが改善される可能性があります。 |
労働基準監督署 | 労働基準監督署にはパワハラの相談窓口が設置されています。しかし、相談しても動いてくれないのが現状ですので期待はできません。 |
相談先はネットで調べると見つけることができます。勇気がいる行為ですが、相談してみると解決策がでてくるかもしれません。
まとめ
パワハラを訴えた場合のデメリットについて説明しましたが、決して訴えることが悪いことではありません。ただし、訴えることで更なるダメージを受けてしまう可能性があることを理解しておかなければなりません。
パワハラに1人で悩んでいる場合は、とりあえず相談窓口に足を運んでみることをおすすめします。
このまま悩み続けて体を壊してしまうことだけは避けた方が良いですからね。
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