丸く並んだ可愛い白やピンク色のお花を咲かせてくれるヒメイワダレソウは、グランドカバーとしてとても人気のある植物ですよね。踏圧にも強いのに、可愛いお花も見れるのはお得なため、所有地や庭に植えようと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、そんなヒメイワダレソウも「植えてはいけない」と言われるほどのデメリットがあるんです。
私はこれまで園芸関係の会社で勤務した経験があり、さまざまな植物を取り扱ってきたのですが、その立場から言うと、ヒメイワダレソウは安易に植えてはいけない植物です。ただ、取り扱いにさえ気をつければメリットも多い、一長一短な植物だと言えます。
そこで、この記事では、ヒメイワダレソウを植えてはいけない理由について詳しくご紹介していきます。加えて後半では、ヒメイワダレソウを植えるメリットについてもご紹介しているので、ヒメイワダレソウを植えてみたいと考えている人はぜひ事前に読んで参考にしてみてください。
ヒメイワダレソウを植えてはいけない理由
グランドカバーとして人気のヒメイワダレソウですが、植えてはいけない理由として、以下の5つの点があげられます。
- 繁殖力が強すぎる
- 他の草を枯らしてしまう
- 隣の家に迷惑がかかる
- 重点対策外来種!?
- 駆除しても生えてくることがある
では、それぞれの理由について詳しくご紹介していきますね。
繁殖力が強すぎる
ヒメイワダレソウは、繁殖力が強すぎるため、植えてはいけないと言われています。ヒメイワダレソウは耐寒性も耐暑性も強く、病害虫にも強い植物です。そのため、育てやすくグランドカバーとして用いられることが多いのですが、逆に繁殖しすぎて手に負えなくなることがあるのです。ネット上にも、このような意見が挙がっていたのでご紹介させていただきます。
今日のみちくさ
「ヒメイワダレソウ」
ペルー原産の地被植物。
繁殖力は芝生の10倍!
「植えてはいけない」植物とも言われてるんだって。#道草 #園芸 #花 pic.twitter.com/YyOsZ2TDF1— mnsaito (@mnsaito_miesan) June 2, 2022
繁殖力は芝の10倍と言うのが本当であれば、すごい生命力ですよね。ちなみに私が調べた論文にも、このように書いてありました。
生育速度は芝の10倍以上の速さで地表を被覆し、緻密に地表を覆いつくす
引用元:参照記事のタイトル
芝の代わりにヒメイワダレソウをグランドカバーとして考える方は多いと思います。ただ、芝よりも10倍の速度で増えていくとなると、植える場所を注意しないと、管理に苦労することになってしまいますよね。このようにヒメイワダレソウは、繁殖力がとても強いため、安易に植えるべきではないとされているのです。
他の草を枯らしてしまう
ヒメイワダレソウは、その圧倒的な繁殖スピードで増えることで、他の草を枯らしてしまいます。そのため、植えるべきではないとされているのです。確かに、雑草を枯らすのなら便利でいいのですが、大切に育てている植物まで枯らしてしまうのは困りますよね。ネット上にも、ヒメイワダレソウに関して、このような声が上がっていました。
近くの団地のグランドカバーに、いつの間にか小さな花が咲いてた!
ヒメイワダレソウは、繁殖力が強くて他の草を枯らしてしまうので、「植えてはいけない」と書かれていてビックリ😱
ランタナみたいにかわいい花なのに…
#花が好き pic.twitter.com/g2Wl6OOKZM— すっちー (@329_sutchi_) July 6, 2023
ヒメイワダレソウが他の草を枯らせるほど繁殖することに驚いている様子が伝わってきます。確かに一見、こんなに可愛い花を咲かせる草がそこまでの繁殖力を持つとは思いませんよね。
隣の家に迷惑がかかる
ヒメイワダレソウは、その繁殖力の強さから、隣の家に迷惑をかける可能性もあるという理由からも、植えるべきではないとされています。ヒメイワダレソウを安易に庭などに植えてしまい、管理しきれずお隣にまで繁殖してしまえば、ご近所トラブルにも発展しかねないため、注意しなければいけません。この方も、ヒメイワダレソウが繁殖して、お隣に迷惑をかけてしまうのではないかと心配しています。
西側のちょこっと植えたヒメイワダレソウが大変なことになってるからお隣にご迷惑かける前にぶち抜くしかねえとお隣の芝刈り機の音を聞きながら思ってます
— haru (@chacoharu) June 14, 2015
癒されるはずのガーデニングで、余計なトラブルが生まれてしまうのは嫌ですよね。このように、繁殖しやすいヒメイワダレソウはご近所トラブルに発展してしまう可能性があるため、特に庭の狭いスペースなどに安易に植えるべきではないとされているのです。
重点対策外来種!?
実は、ヒメイワダレソウは、環境省被害防止特定外来種リストの重点対策外来種に指定されています。そして、日本国内の生態系に影響を与える可能性のある植物として、適切な扱いをするよう注意喚起がされている植物なのです。環境省の『生態系被害防止外来種リスト』によれば、重点対策外来種の対策についてはこのように記されています。
甚大な被害が予想されるため、対策の必要性が高い
引用元:生態系被害防止外来種リスト
甚大な被害が予想されるのであれば、無作為の場所に、無責任に植えて放置したりしてはいけません。守らなかったことで、特に罰則などがあるわけではありませんが、日本に住むものとしては、生態系を守るための最低限のルールとして、遵守しながら園芸を楽しむ必要があります。
駆除しても生えてくることがある
ヒメイワダレソウは、種でも増える多年草で、駆除しても生えてくることがあるため、植えるべきではないと言われています。ネット上にも、このようなヒメイワダレソウの駆除に関する見解が投稿されていました。
ヒメイワダレソウは根が浅いので駆除しようと思えば簡単にできますでも駆除しきれなかった小さな株からまた爆殖したりします。ミントほど厄介ではないです!けど冬に中途半端に枯れ込んで汚くなったりなど一長一短です。
— 生きててえらいぴすたん (@Pista7777) April 15, 2019
この方のいうように、増えすぎたヒメイワダレソウを駆除しようと引き抜いて処分しても、取り残した株から増えていってしまうと、労力も無駄になってしまい厄介です。このように、ヒメイワダレソウの駆除は簡単ではないため、駆除をする前提で植えるなどするのはあまりおすすめできないのです。
ヒメイワダレソウを植えるメリット
ここまで、ヒメイワダレソウの繁殖力が強い点や、重点対策外来種として登録されている点などのデメリットをご紹介してきました。そこで「植えたかったけど、やめておこう」と考える人もいるかも知れません。
しかし、ヒメイワダレソウは植えるメリットも多い植物なので、気をつけて管理さえすればデメリットを抑えて栽培を楽しむことができます。そこで、ここからは、ヒメイワダレソウを植えるメリットについてもご紹介していきます。
雑草抑制効果がある
ヒメイワダレソウは、繁殖スピードが早いため、雑草を抑制してくれる効果があります。狭い範囲に植えてしまえばヒメイワダレソウの剪定が大変になってしまいますが、広範囲の雑草対策として広いスペースに植えるのであれば、少ない手間で雑草の抑制をしてくれる優れものです。
可愛らしい花を咲かせてくれる
ヒメイワダレソウは、ランタナに似た白やピンクの可愛いお花を咲かせてくれます。雑草の抑制もしつつ、少ない手間で可愛いお花を見せてくれるヒメイワダレソウは、実用的であり鑑賞価値もあるメリットが多い植物であるといえます。
グランドカバーとして優れている
ヒメイワダレソウは、繁殖力が旺盛で踏圧にも強いため、芝に代わる優れたグランドカバーとして用いることができます。おまけに、少ない手間でかわいい花も咲かせてくれるため、広いお庭のグランドカバーとして非常に適しているということができます。
まとめ
ヒメイワダレソウは、繁殖力が強い分、狭い土地では剪定に手間がかかったり、駆除がしづらかったりなどのデメリットがあります。しかし、その一方で、少ない手間で抑草効果を発揮してくれたりなどのメリットもあるため、諸刃の剣のような特徴を持つ植物であると言えます。
そんなヒメイワダレソウは、広い土地に植えるのであれば、きっと利点の多い恩恵の多い植物になります。植える場所や管理の頻度に気をつけながら、ぜひヒメイワダレソウの栽培を楽しんでみてください。
>>庭に植えてはいけない植物ランキング!32種の中でワースト1位は!?
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