美しい黄色の花が人気の山吹は、色の名前としても植物としても、多くの人にとって親しみのある木ではないでしょうか。また、その丈夫さから、育てたいと考えている人も多いはずです。
ただ、ある日、個人的に山吹についてネットで調べていると、山吹は植えてはいけないと言われているから心配だという意見をチラホラと見かけたんですね。私自身、これまで園芸関係の会社でさまざまな植物を取り扱った経験があるのですが、その観点から見ると、少し納得できる点もあれば、そこまで心配する必要はないかなと思える理由もありました。
そこで、この記事では、山吹を植えてはいけないとい言われる理由についてご紹介していきながら、そういったデメリットを上回るメリットについてもお伝えしていきますね。
山吹を植えてはいけないと言われる理由
丈夫で美しい山吹の木ですが、植えてはいけないと言われる理由には主に以下の3つがあります。
- 縁起が悪い
- 地下茎が増えすぎる
- 周囲の植物に影響を与えてしまう
では、それぞれについて詳しくご説明していきますね。
縁起が悪い
山吹が植えてはいけないと言われている理由は、植えると縁起が悪いという言い伝えがあるからです。一部の山吹は、花が咲いても実がならず、それゆえ子どもが生まれず子孫が途絶えるとして語り継がれてきた節があります。その発端となったのが、太田道灌の詠んだ「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき」という詩です。
この「実がつかない」という部分から、子どもができず子孫が途絶えるという連想がされ、縁起が悪いと言われるようになったんですね。また、ネット上でもいくつか山吹の言い伝えについての意見がありました。
八重のヤマブキには種をつけませんが一重や白ヤマブキにはたくさん種をつけて増えるので避けられているのかもしれませんが植えてはいけないと言う言い伝えはないです。こちら北陸です
引用元:知恵袋
このように地域によっては山吹を植えることは縁起が悪いという言い伝えがないという意見もあります。
ヤマブキには、花は咲きますが種が付きません。それ故に、その家に子孫が出来ないで有ろうとの縁起を担いでの意味かと思います。
このような事は全国的にあると思いますが、気に為さらないのであれば良いかと思いますが、貴方の思い次第です。
我が家にはシロヤマブキ(名前はヤマブキでも別種:種子が付き過ぎます)と白花ヤマブキが有ります。引用元:知恵袋
また、縁起が悪いという言い伝えがあっても、実がなる種類の山吹を植えているという人もいました。
しかし、山吹を植えて縁起の悪いことが起こったという意見は見つけられなかったため、山吹の言い伝えはあくまで迷信として捉えておく方がいいのではないかと思います。
地下茎が増えすぎる
山吹は地下茎によって広がる性質があるため、コントロールが難しく、植えない方がいいと言われています。山吹の他に地下茎で増える植物として代表的なのは竹ですが、竹の駆除でお困りの方は地下茎の厄介さをご存知かもしれませんね。
地下茎は根がある限り生えてくるためどうしようもないところがあり、どれだけ掘り返しても出てくる、地下茎による竹の子の図太さは有名です。山吹も竹の子と同様、しつこく根から繁殖をしていくので、庭の生えないでほしい範囲まで増殖をしてきて困っている方もいます。ネットでも実際にこのような意見がありました。
ヤマブキが増えて困っています。 地下茎を伸ばさない方法はありますでしょうか? 皆様のところではどうしております
引用元:知恵袋
実際に山吹を育てている方の意見ですが、どうしても山吹の地下茎が伸びて増殖するため、困っている様子が伝わりますね。また、こんな意見もありました。
庭に山吹を植えてはいけない
山に有って美しい
狭い庭でも無尽蔵に増えて行く
切って切って切っていたら
ブルーベリーも間違えて切ってしまった
ああああああああああああああー— グリーンフィンガー (@barabarau) February 19, 2019
山にあって美しいからといって、庭に植えてしまっては無尽蔵に増えてしまうから植えてはいけないという実体験に基づいた痛切なメッセージが込められていますよね。
周囲の植物に影響を与えてしまう
最後に、周囲の植物に影響を与えてしまうから、山吹は植えてはいけないという点が3つ目の理由として挙げられます。実はこの理由は上の地下茎の話と少しつながっている点があります。というのも、地下茎で増える植物は本当に生命力が強いため、周囲の植物に影響を与えやすい品種が多いのです。
先ほどご紹介した竹も、地下茎によるその繁殖力の強さから、増えすぎると生態系を破壊するという話は有名です。そのため山吹も、竹ほどは周囲の植物への影響は大きくはありませんが、庭などの限られたスペースでは特に、増えないようにコントロールすることが大切になってきます。
雑草程度なら、増えても刈ればいいのですが、庭で木が広範囲に増殖してしまうのはちょっと不安ですよね。それため、山吹は周囲の植物に与えてしまうから、植えてはいけないと言われているのです。
山吹を植えるメリット
ここまで山吹を植えない方がいい理由を紹介して、山吹を植えることに不安を感じた人も多いはずです。ただ、私自身の経験からお伝えすると、山吹はきちんと育てることができれば、メリットが大きい植物だと思っています。では、具体的に、どういう点で山吹は優れているのかお伝えしていきますね。
扱いやすい
山吹は植えない方がいいと言われるほど生命力が強い植物ですが、それは裏を返せば丈夫で育てやすいということになります。日本原産種の木でもあるため、乾燥に気をつければ、ほとんど手間をかけずに成長していきます。
増えすぎないようコントロールする手間はかかりますが、丈夫で枯れにくいという点は、園芸を嗜むすべての方にとってとても大きなメリットと言えますね。
庭が華やかになる
育てる上で厄介な点も多い山吹ですが、なんといっても開花シーズンに見られる、黄色い花で覆い尽くされた庭の光景は、育てる苦労を忘れさせてくれるほど美しいものです。
管理のしやすい草花や、コントロールのしやすい他の樹木もいいですが、やはり山吹にしかない山吹色の花が見られることは、間違いなく育てる上で大きなメリットですね。
まとめ
丈夫で生命力の強い山吹には、確かに繁殖をコントロールしなければいけないなどの、育てる上でのデメリットがあります。
しかし、「気品」「崇高」「金運」などの多くの縁起のいい花言葉を持つ山吹は、きっと、その美しさと共に、良いエネルギーを家庭に運んでくれます。ちょっと不安になる迷信などありますが、あまり気にぜずに、ぜひ山吹を育てることを楽しんでみることをおすすめします。
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