よく左翼の人達が、日本の保守の政治家に対して、「そのやり方や考え方はファシズムだ」という表現をよく使います。
しかし、ファシズムという言葉の意味って、分かっているようで、結構、曖昧になっている部分も多いです。
そこでは、今回は、ファシズムの意味について、全体主義との違いも含めて、出来るだけ簡単にまとめてみました。
ファシズムとは?
ファシズムとは、簡単に言ってしまうと、「1922年~1942年まで政権を獲得したイタリアのムッソリーニが率いる”国家ファシスト党”が提唱した思想および政治運動」です。
ファシズムとはイタリア語で「結束した同盟者の集まり」という意味となるので、日本語訳は、集団結束主義とか結束主義という感じになります。
また思想的な観点からファシズムを簡単に説明すると、「市民の自由や人権を無視して、国家の利益を優先する独裁主義」となります。
ファシズムは、極右とも言われていますが、実は、統一的な定義に関してははっきりしたものがありません。
ファシズムと似た思想
次にファシズムと時には同じように考えられる当時の思想についてご紹介をしていきます。
ナチズム
第二次世界大戦時に、ヒットラーが、民族社会主義・国家全体主義を唱えたイデオロギーです。
具体的には、
ドイツ人が最高の民族であり(民族主義)、ユダヤ人が悪の権化(反ユダヤ主義)
とする考え方です。
全体主義
個人の全ては全体に従属すべきとする思想または政治体制です。
第二次世界大戦時の日本の軍国主義を指して言われることもあります。
ファシズムと全体主義は違う?
ファシズムとは、元々は、ムッソリーニが率いる国家ファシスト党が提唱した主義です。
また、ナチズムはドイツで、全体主義は日本で生まれた主義なので、ファシズム、ナチズム、全体主義は、厳密に言えば違います。
ただ、歴史的には、ファシズムが先に出て来て、その後、ナチズムや全体主義(軍国主義)が出てきましたし、考え方は似ているので、これらが総称して、ファシズムと呼ばれる場合もあります。
実際、ファシズムの定義は曖昧になっているところがあります。
政治学者の中でも意見が分かれるぐらいですから、我々のような一般人が理解するのが難しいのは、ある意味当然かもしれませんね。
また、”ファシズム”という言葉は、かなりネガティブなイメージがあります。
ですから、左翼の人が、日本の保守政治家の考え方をファシズムだと呼ぶのは、その言葉を使うことによって、より強いネガティブなインパクトを社会的に与えたいという意図があるのかもしれません。
ファシズム・ナチズム・全体主義に共通する点
ここでは、ファシズム・ナチズム・全体主義の思想を紹介して来ましたが、簡単に言ってしまえば、これらの思想に共通するのは、“ある特定の考え方を重視し、それ以外のものは排斥する”という点だと思います。
人間、他人の意見に耳を傾けることが出来なくなってしまったら、どんどんおかしな方向へ行ってしまうと感じるものです。
ですから、謙虚な姿勢と柔軟性というものを、持ち続けることがやはり大切なのかと思います。
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