今回は、量的緩和(特にアメリカでの状況)について少しまとめてみました。
量的緩和とは?
量的緩和とは、簡単に言うと、市場に出回るお金の量を増やすことです。
日本であれば、日本銀行がお金を増やします。
アメリカであれば、中央銀行に相当するFRB(連邦準備制度理事会)がお金を増やします。
お金を増やす際は、国債や証券を買い入れる、つまり借金を増やしていくことになります。
アメリカの量的緩和政策
アメリカでは、2008年のリーマンショック以降、大規模な量的緩和政策を行いました。
2008年に行った量的緩和政策(QE1)では、1兆720億ドルが市場に供給され、
2010年に行った量的緩和政策(QE2)では、6000億ドルが供給されました。
そして、2012年9月に始まった量的緩和政策(QE3)では、月額850億ドルペースで供給が、され続けています。
そして、このQE3の規模をいつ縮小するかというのが、争点になっている訳です。
量的緩和のメリット
量的緩和のメリットは、お金回りが良くなり、景気が良くなることだと言われています。
お金が増えると、マーケットに資金がたくさん流れ込むので、株価は上昇します。
(アベノミクスの時もそうでしたね)
また、お金の量が増えることになり、その国の通貨は下がるので、輸出が増え、輸出業を主体とした国の経済は良くなります。
その結果、景気が良くなり、労働者の賃金が上がったり、雇用が改善したりする中で、消費が増え、更に景気が良くなる循環に入っていきます。
(と言われています^^;)
量的緩和のデメリット
その一方で、量的緩和にはデメリットもあります。具体的には
1. 国の借金が増える
2.その国の通貨の価値が下落する
3.インフレになる
という点が挙げられます。
実際、大規模な量的緩和を行ったアメリカでは、国の借金が大幅に膨れ上がり、債務上限を超えそうになったため、定期的に議会で上限枠の引き上げを行なっています。
(しかも、アメリカは現在、ねじれ国家になっているので、毎回、最後の最後までもつれます)
また、借金が増えすぎると、その国の通貨に対する信頼が失われ、通貨の価値が下落します。
ちなみに、アメリカが量的緩和を行うと、ドルを中心に回っている世界経済全体に影響を与えるため、原油などの資源、金などの貴金属、そして穀物などの商品価格が上昇します。
その結果、新興国のインフレやバブルを招くことにも繋がってしまいます。
アメリカのFRBが、そういった量的緩和の悪影響を回避するため、いつ量的緩和を縮小するか、世界中が注目していますが、肝心のアメリカの失業率がなかなか改善されないこともあり、難しい状況が続いているという状況です。
世界経済の行く末
アメリカも日本も量的緩和をかなりやっているので、借金は、いずれにせよ、これからも増え続けると思います。
ヨーロッパの経済も限界ですし、中国もバブルがいつ弾けるか分からない状況
そういった意味で、世界経済は、かなりギリギリのバランスを辛うじて保っているというのが現状です。
今は、本当に何が起こるか分からない時代です。
もしかしたら、今の世界情勢が、いったんリセットされて、まったく新しい世界秩序が始まるのかもしれません。
私達は、どんな時代の変化が来ても、それに対応していく覚悟と準備をしていくべき時なのかもしれませんね。
広告
スポンサーリンク