アフガニスタンの治安がまだまだよくなってない状況です。
そもそも何故、アメリカはアフガニスタンに侵攻していったのでしょうか。
その理由について、まとめてみました。
アフガニスタン紛争とは?
最初に、アフガニスタン紛争をざっと振り返ります。
アフガニスタンでの紛争は大きく3つに分かれます。
1978年~1989年(ソ連の軍事侵入と撤退まで)
1978年にアフガニスタン人民民主党が成立しますが、武装勢力が蜂起し、内政が不安定な状態になります。
そこへ、1979年12月、ソ連が軍事介入し、自国寄りの政権を擁立しました。
しかし、その政権に対抗するムジャーヒディーン(イスラム義勇兵)は、パキスタンを経由してアメリカの支援を受けながら、ソ連軍と激しい戦闘を繰り広げていきます。
最終的にソ連軍は、正当な理由のない侵略行為をしたという国連決議を受け、1988年から撤退を始め、1989年2月2日には全ての軍隊が撤退しました。
1989年~2001年(ソ連の撤退から、アメリカのターリバン攻撃まで)
しかし、ソ連が撤退した後、ムジャーヒディーンの内部で抗争が起こります。
1992年にはアフガニスタン・イスラム国が成立しますが、内戦が全土に広まる中、タリバンが勢力を拡大します。
1996年には、タリバンがカブールを占領し、アフガニスタン・イスラム首長国の成立を宣言します。
それに対し、反タリバンの北部同盟が結成され、二つの勢力による争いが続いていきました。
2001年~(アメリカ同時多発テロ~)
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロの首謀者として指定されたビン・ラーディン率いるアルカーイダは、アフガニスタンの国内に入っていたため、アメリカは、アフガニスタンの9割を実行支配していたタリバン政権に対し、アルカーイダの引き渡しを要求しました。
しかし、ターリバーン政権が要求を拒否したため、アメリカと有志連合諸国そして北部同盟は、2001年10月7日から「不朽の自由作戦」の名の下で、タリバンへの攻撃を開始し、約2か月の戦闘でタリバン政権を消滅させ、2001年12月22日は暫定政権を発足させました。
しかし、その後も、タリバン派のテロ活動を中心とした攻撃は続き、2004年10月にアフガニスタン・イスラム共和国が発足した後も、不安な政情が続きます。
2005年の後半からは、タリバンの攻勢が強くなり、米英軍や国際治安支援部隊(ISAF)と戦闘を繰り広げます。
2009年に大統領に就任したオバマ大統領は、アフガニスタン重視の姿勢を強め、アフガニスタンへの派遣する軍を増強しているという状況です。
アフガニスタンに侵攻する理由は何か?
アメリカがアフガニスタンへ侵攻する理由は、いくつか考えられ、それが複合的に重なり合っているように思えます。
アメリカ対旧ソ連の代理戦争
元々の発端は、ソ連がアフガニスタンへ侵攻したからという理由が大きかったのでしょう。
しかし、ソ連は、1991年に解体され、状況は、変わって来ています。
ビン・ラディンをかくまっていたから
2001年にブッシュ政権が、アフガニスタン侵攻を決めたのは、アフガニスタンのタリバン政権が、アメリカ同時多発テロの首謀者であるビン・ラディンをかくまっていたからという理由からでした。
しかし、そのビン・ラディンも2011年5月2日にアメリカの特殊部隊によって、パキスタンのイスラマバード郊外で殺害され、ビン・ラディンを巡る闘争も一つの区切りを迎えました。
アフガニスタンの資源
アフガニスタンには1兆ドル規模の鉱物資源があると、アメリカの国防省が調査し、発表しています。
その資源を確保することも理由の一つと言えるかもしれません。
武器や弾薬を処理するため
アメリカでは、国内の武器や弾薬が有り余っています。
それを紛争などで消費していくことによって、アメリカの軍事産業が潤い、結果的にアメリカ経済へ良い効果を与えるという考え方もあります。
天然ガスの輸送ルートの確立のため
アフガニスタンの北部に隣接しているトルクメニスタンには、世界第四位の天然ガスを埋蔵していると言われています。
その天然ガスをアフガニスタン経由でパキスタンまで、パイプラインで運ぼうというプロジェクトも発案されましたが、そのために、アフガニスタンを押さえておきたいという狙いがあるようです。
引くに引けない状況だから
いずれにせよ、今は、ここまで来てしまったら、アメリカもアフガニスタンから、引くに引けない状況にあると言っていいでしょう。
アメリカ軍が、ここで軍を撤退させたら、再びタリバンの勢力が盛り返して、また元の混乱状態に戻ってしまうでしょう。
アフガニスタンでの紛争や混乱は、ある意味泥沼化していると言っても良いでしょう。
ここまで状況が複雑になってしまうと、なかなか平和的解決というのが難しくなってしまうのかもしれませんが、一日でも早い問題解決を祈るばかりです。
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