「まち」という言葉を漢字で書くと「町」だったり「街」だったり。
これってどっちが正しいのでしょうか?
そもそも意味は違うのでしょうか?
そして英語にするとどうなるのでしょうか?
ここでは「町」と「街」の違いと正しい使い方についてお伝えしていきます。
町と街のそれぞれの意味
「町」の意味
町とは行政上の区画や地区、地域を意味する言葉です。
ですから、基本的に地名に使われるのは「街」ではなく「町」です。
言われて見れば確かに年賀状や宅配便などの住所を書くとき「街」という漢字って使ったことないですよね。
また「人家がたくさん集まっているところ」という意味があり、人がたくさん住んでいるような場所、例えば城下町などを表現する時に使います。
「街」の意味
街とは多くの人が集まる場所や人工的に作られた建物が密集しているところ、例えば商店街や繁華街といった商業地区の事を意味します。
電車の駅や役所など多くの人たちの活動の拠点となることを「市街地」といいますが、この時、使われる漢字も「街」です。
町と街の違い
「街」は「町」よりも小さいコミュニティ、ピンポイントな場所を表しており、「町」の中に「街」がある、という概念で使うのが良いようです。
確かに繁華街や商店街は「町」の中にありますね。
「街」も「町」も一つの漢字単体で考えてしまうとこんがらがってよくわからなくなってしまいます。
ただ、「繁華街」や「城下町」など、それぞれその漢字が含まれる単語と一緒に考えるとなんとなくですが、大まかな意味がくみ取れるような気がしませんか?
個人的には「街」はお洒落、「町」は下町っぽくてホッとするイメージですが、みなさんはいかがでしょうか。
英語から見た町と街の違い(difference)
日本語ではいまいち区別がつきにくく混同されて使われている「まち(町)(街)」ですが、英語にはそれぞれに対応する単語はあるのでしょうか?
今度は英語視点で町と街の違い(difference)見てみましょう。
「町」を英語で表すと?
町は住宅が密集している所、という感覚ですから英語で表記すると「town」という表現がピッタリでしょう。
タウンを使う言葉には「ダウンタウン」、「ホームタウン」などがありますが、まさに下町風情漂う情景は英語にしても同じだと思います。
「街」を英語で表すと?
街は商業施設や人々が集まる所、という感覚ですから英語で表記すると「street」という表現がしっくりきます。
「ストリートミュージシャン」「ストリートファイター」。
確かに彼らは「町」ではなく「街中」を舞台に活躍していそうなイメージです。
またStreetの語源は「strata(舗装された道路)」という言葉とのこと。
まさに「街」のイメージにピッタリなのではないでしょうか。
その他にも区域を表す「area」を使う場合もあるようです。
横浜やお台場など海沿いのお洒落な区画を「ベイエリア」ということもありますし、まさに「街」のイメージにマッチしますね。
このように「町」と「街」は英語にしても自然とつじつまが合ってしまうのです。
「町」と「街」どっちを使う?
最後になりましたが、「町」と「街」が入った例文を使って理解を確実なものにしましょう。
「町おこし」?「街おこし」?
「まちおこし」はどうでしょうか。「町おこし」?それとも「街おこし」?
正解は「町おこし」ですね!
自分たちが住んでいる地域を活性化しよう!というのが“まちおこし”ですから、「街」ではなく「町」を当てはめるのが自然ですね。
「町づくり」?「街づくり?」
続いては「まちづくり」はどうでしょうか?「町づくり」?それとも「街づくり」?
正解は「街づくり」ですね!“まちづくり”には建物を発展させるという意味があるので、「町」ではなく「街」を当てはめるのがより自然といえるでしょう。
「町中」と「街中」の違い
辞書を見てみると、「町中」と「街中」に関しては違いがないように書かれています。
ただ、町と街の意味の違いから考慮すると
- 町並み:町の中にある家の配置の風景
- 街並み:通り沿いにある家並みの風景
というように、ニュアンスの違いが見えて来るかと思います。
このように「町」と「街」の違いは、一見すると大差はないようですが、しっかり調べると明確な違いが見えて来るのです。
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