ダウン症の平均寿命は短いと言われて来ました。
しかし、最近は、医療の進歩によってその状況は改善されつつあります。
ここではダウン症の寿命が延びている理由と、新たに起こりつつある問題、そしてその解決策などについてまとめてみました。
ダウン症の平均寿命が短かった理由と現在の状況
ダウン症の方は、今から20~30年前ぐらいは、20歳を迎える前に亡くなってしまう方が多く、ダウン症の平均寿命は短いという定説がありました。
寿命が短かった理由は、ダウン症のお子さんは、30~50%の方が、先天性の心臓病を持っていたからです。
それ以外にも、肺炎や白血病、そして感染症などの合併症が死因で亡くなる方がたくさんいました。
しかし、医療技術の進歩によって、心臓の疾患は、手術で治療出来るようになり、その他の病気への対策もかなり進みました。
そのため、現在、ダウン症の方の平均寿命は50歳を越えるようになったと言われており、60歳も超えて、70~80歳まで生きる方もいらっしゃいます。
ダウン症の寿命のギネス記録は?
ちなみに、ダウン症の寿命で最高齢としてギネスで認定された方は83歳まで生きられました。
ダウン症の寿命が短いという定説は少しずつではありますが、覆されるようになりつつあります。
医学の進歩って本当に素晴らしいですね。
平均寿命が延びることによって起きる別の問題
ダウン症の平均寿命が延びること自体は、とても喜ばしいことなのですが、その一方で、別の問題が生じるようになってきています。
認知症になる確率が増加
ダウン症の方は、知的障害者の中でも、老化が早いという側面を持っています。
ですので、40歳を過ぎるあたりから、認知症になる確率が高くなる傾向があります。
介護をする方の高齢化
ダウン症の方の中には、社会にうまく適用出来るようになり、一般の会社に就職する方もいらっしゃいます。
しかし、その一方で、誰かのサポートを受けなければ、肉体的や経済的に生活をしていくことが出来ない方がたくさんいらっしゃることも事実です。
普通は、親御さんが、ダウン症のお子さんの面倒を見るケースが多いわけですが、ダウン症の方の寿命が急速に伸びている今、親御さんが先に亡くなってしまうケースが多くなってきています。
そうなった場合、ダウン症のお子さんをどうやってケアしていくべきかという問題が生じています。
ダウン症の方をサポートする環境作りが大切
ダウン症の原因は、2本である21番目の染色体が、3本になっているために起こる病気で、いわゆる先天的な障害です。
ですから、治療によって、ダウン症を治すことは出来ないというのが現状です。
しかし、ダウン症の方は、早い段階から療養を行なっていけば、社会生活に適応する力を付けることが可能と言われています。
また、ダウン症の方は、身体的な能力が劣ってしまう反面、
想像力
記憶力
観察力
などに優れ、書道家の金澤翔子さんのように、芸術などの分野で活躍されている方もいらっしゃいます。
ダウン症の平均寿命が延びて来ている今こそ、社会全体で、ダウン症の方を暖かく見守り、サポートしていける環境作りをしていければいいですね。
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