春に見事なピンク色の花を咲かせる桜の木を自宅に植えて楽しみたいと考える人は多いのではないでしょうか。私も、家の近所にヒカンザクラが植わっていて、春が訪れるたびに癒されているので、自宅の庭にも植えようと考えています。
しかし、私自身、これまで園芸関連の会社に勤めた経験があるので、その立場からお伝えすると、桜の木は、庭に植えるには注意が必要なデメリットがいくつかあるので、安易に庭に植えてはいけない植物だと言えます。
そこで、この記事では、桜の木を庭には植えてはいけない理由について徹底的にご紹介していきますので、桜の木を植えることを考えている方はぜひ栽培前に読んで参考にしてみてください。
桜の木を庭に植えてはいけない理由
春のお花見用に庭で育てたくなる桜の木ですが、庭に植えてはいけない理由として、以下の10個の原因が挙げられます。
- 縁起が悪い
- 桜の花はすぐに散ってしまう
- 大きくなりすぎる
- 日当たりが悪くなる
- 落ち葉の掃除が大変
- 近所に迷惑がかかることも
- 他の植物が育たなくなる
- 虫がたくさん寄ってくる
- 根が横に伸びすぎる
- 不要になっても処理するのが大変
では、それぞれの理由について詳しくご紹介していきますね。
縁起が悪い
桜の花は、花が咲いてもすぐに散ってしまうことから、縁起が悪いため庭には植えない方がいいと言われています。昔から、桜がパッと咲いてすぐに散る様子は、物事が長く続かない様子を連想させるため、縁起が悪いと言われていました。
また、梶井基次郎の小説を元ネタにした「桜の木の下には死体が埋まっている」という迷信も相まって、桜の木は縁起が悪いとされているのです。
桜の花はすぐに散ってしまう
桜の花がきれいに咲くのは1~2週間程度で、咲いてもすぐに散ってしまいます。そのため、いろいろな物事に例えて縁起が悪いと言われているだけでなく、せっかく育てたのに花を愛でる期間も短いため、庭に植えて育てるのには向いていないとされているのです。
たしかに、いくら美しい花を咲かせてくれるとしても、すぐに散ってしまうのは少し寂しいですよね。
大きくなりすぎる
桜の木は、適切に管理しなければ大きくなりすぎることがあります。例えば、人気な桜の品種としてソメイヨシノがありますが、なんと樹高が15mにもなるんですよね。ネットでもこのような意見がありました。
10年モノが植えてあるのですが、正直困っています。
桜って本当に大きくなるんです…。
周囲の木に日が当たらなくなりつつあります。
正直切り倒したいのですが、
子供の記念樹として植えたものなので
切るのは縁起が悪いようで決断できずにいます。引用元:知恵袋
桜が元気よく育ってくれること自体は良いことなのかもしれません。しかし、日当たりが悪くなるほど大きくなってしまうのは厄介ですよね。
そのため、定期的に剪定をするなどの管理が欠かせません。ただ、桜の木は剪定後の断面から病気になりやすいため、管理が難しい木です。これらの理由も相まって、桜は庭に植えるべきではないと言われているのです。
日当たりが悪くなる
桜の木は、管理をしなければ横にも上にも伸びていく木なので、家の日差しを遮ってしまい、家の日当たりを悪くしてしまうことがあります。日差しが奪われることによって、家の中が暗くなったり、洗濯物が乾きづらくなってしまったりするのはとても困りますよね。
そのため剪定などの管理が欠かせず、管理に手間がかかってしまうのです。
落ち葉の掃除が大変
桜の木は落葉樹なので、寒いシーズンになると落葉し、定期的な掃除の必要が出てきます。土の上に落ちた葉なら、そのまま腐敗させて養分にさせることができますが、コンクリートの上や歩道に落ちてしまうと、掃除をしなければ不衛生になってしまいますよね。
また、放っておくと雨どいに詰まったりするなど厄介なので、手間がかかるため庭に植える木としては適切でないと言われています。
近所に迷惑がかかることも
桜の木の樹高が高くなって日差しを遮ったり、落ち葉の掃除が増えたりすることで、近所に住む人に迷惑がかかることがあります。日差しや落ち葉の管理って、自分では適切にできているつもりでも、意外なところで迷惑がかかってしまっていることがあるんですよね。ネットでもこういう意見を見かけました。
あまり花や葉が生い茂り、母屋よりも高くなるような木を植えると、通風や採光の面で悪影響が出るばかりでなく、花びらや落ち葉が雨樋に詰まってしまったり、ご近所にも迷惑を掛けかねません。
引用元:知恵袋
桜の木は、日差しや落ち葉の問題以外にも、虫がつきやすかったり、根が発達しすぎて家の基礎を壊してしまったりすることもあります。そして、そういったことがご近所トラブルの発端となってしまうことがあるんですね。
他の植物が育たなくなる
桜の木はとても栄養を吸い取る性質があるため、桜を植えた土壌は栄養が吸い取られてしまって、痩せてしまうことがあります。そのため、他の植物が育つのに必要な栄養が欠乏し、桜の木以外の植物が育ちにくい環境になってしまうのです。ネットでも植木屋さんからのアドバイスを紹介している方がいらっしゃいました。
ちなみに植木屋さんの意見では、桜はものすごく養分を吸うので、普通の家の庭などでは、土が痩せて他のものが育たなくなるからやめた方が良いみたいです
引用元:知恵袋
桜は開花しているシーズンはいいのですが、それ以外のシーズンに花を楽しむ機会が制限されてしまいます。そういった点で、いろいろな植物を育てたい人にとっては、とても不都合な点ですよね。
虫がたくさんよってくる
害虫への対処はどの植物でも必要ですが、実は桜の木を好む虫はとても多く、そして厄介なことに、人間に直接的に害のある毛虫もよく引き寄せてしまいます。ネット上に、このような声が載っていました。
地味にいやなのが葉が柔らかく毛虫の大好物です。 マメに殺虫しないと丸坊主になって木の一面毛虫だらけに なります。
引用元:知恵袋
一面毛だらけの木が庭に植わっていると考えると、とても恐ろしいですよね。周辺に洗濯物を干さなければいけない場合は、毛虫がついていないかと気になってしまうものです。駆除剤を撒けばいいのですが、それも管理の手間が増えてしまうことになってしまいます。ですから、管理の時間がない人は、庭に桜の木を植えたくても、じっくり検討をする必要がああります。
根が横に伸びすぎる
桜の木の根っこは、成長に伴って横にも太く根を張らせて成長します。周囲に建物がない場合はそれでも問題ないのですが、建物付近に植えてしまうと、建物の基礎を壊してしまうこともあるんですよね。ネット上でも、こんな見解を見つけました。
昔は、桜は演技が悪いから庭に植えてはいけないと言われていました。
植えたとしても、大分広い土地の方ですね。
管理も大変だし、ましてや根っこが張って建物に悪影響を与えます。
古民家ならなおさら植えてあるはずないと思います。
古民家なら!(大事なことなので2回)— もち麦とごま (@f_meronso_da) April 1, 2018
たしかに、ただでさえ建物が劣化している古民家の近くに桜の木を植えて基礎が壊された場合とても危険ですよね。特に災害時は非常に恐ろしいかと思います。
不要になっても処理をするのが大変
「桜の木を植えて、大きくなって邪魔になったら処分したらいいかな」と考える方もいるかもしれません。しかし、大きく育った木を処分するのには、伐採する費用と処分する費用で、それぞれ数万円かかることが予想されます。
持続的に栽培管理できる範囲で育て始めなければ、後々処分費用で痛い目をみることになるので、安易に植えない方が良いでしょう。
まとめ
桜の木は、美しい花を咲かせてくれますし、どんどん大きくなるので育ちやすい性質をもっています。しかし、その一方で、大きくなり過ぎて日当たりが悪くなど様々な支障が出てくることもあるので、うまく管理ができないと後悔をしてしまうことになりかねません。そういった点などから桜の木は庭に植えてはいけないと言われることがよくあるんですね。
しかし、その一方で、桜の木は庭にあった品種のものを植えたり、鉢植えで楽しめるようにしたりすることで、リスクを避けつつ手軽に家庭でも楽しむこともできます。ですから、桜の木を育てる時は、この記事でご紹介したデメリットを十分に認識された上で、自分にあった桜の木の栽培方法を見つけていかれることをおすすめします。
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