先日、私の友人が中古の一戸建ての不動産を購入しようとしたのですが、その家の中にはお地蔵さんがあって、祀られていた(正確には家の庭に囲いがあって祀られていた)というんですね。私の友人は特に何かの宗教を信じているわけでもなかったので、そのお地蔵さんを撤去したら良いものなのか悩んでいました。ただ、そもそも家の中になんでお地蔵さんがあるのか気になるところですよね。
そこで、この記事では、お地蔵さんが家の中にある理由と、転居先にあった場合、どのように対処したら良いのかという点について解説をしていきます。
お地蔵さんが家の中にある理由は?
そもそも、転居先にお地蔵さんがあるというのはどんな意味があるのでしょうか?この場合、具体的には以下の2つの理由があると言われています。
- 祀る目的で設置された
- 何らかの事故があった?
それぞれの理由について詳しく解説していきますね。
祀る目的で設置された
お地蔵さんの正式名称は地蔵菩薩となっていますが、元々は仏教の信仰対象となっています。お釈迦様が入滅(亡くなられること)された後、未来の菩薩として弥勒菩薩が現れるまでの56億7千万年の間、私たちをお守りくださるのが、地蔵菩薩、つまりお地蔵さんの役割だと言われているんですね。
そういったお地蔵さんには以下のような28の功徳(ご利益)があると言われています。
- 天龍護念(天龍が守ってくれる)
- 善果日増(善果が日ごと増す)
- 集聖上因(勝れた因が集る)
- 菩提不退(菩提が退ことがない)
- 衣食豊足(衣・食に豊で不足しない)
- 疾疫不臨(病気にかからない)
- 離水火災(水の難、火の難に遭わない)
- 無盗賊厄(盗賊の被害に遭わない)
- 人見欽敬(人から敬われる)
- 神鬼助持(鬼神が助けとなる)
- 女転男身 (女が男性に転ずる)
- 為王臣女(王の女性大臣となる)
- 端正相好(容姿端麗で相がよい)
- 多生天上(何度も天界へ生まれ変わる)
- 或為帝王(あるいは帝王になる)
- 宿智命通(前世に得た智慧によって将来を知る事ができる)
- 有求皆従(求める者は皆、従う)
- 眷属歓楽(眷属が歓び楽しむ)
- 諸横消滅(全ての不道理を消滅させる)
- 業道永除(苦楽の報いの善悪の業を永久に取り除く)
- 去処盡通(苦しみに通じるところが滅びる)
- 夜夢安楽(夜の夢見が安らかになる)
- 先亡離苦(先祖が苦しみから離れられる)
- 宿福受生(前世の福を受け、生まれる)
- 諸聖讃歎(全ての聖者がほめたたえる)
- 聰明利根(素質や能力がすぐれる)
- 饒慈愍心(哀れみ、慈しむ心を与える)
- 畢竟成仏(絶対的な悟りを得ることができる)
中には「女が男性に転ずる」など、少し変わった功徳もありますが、いずれにせよ、お地蔵さんが非常にありがたい存在であることに違いはありません。ですから、そのようなお地蔵さんを家の中に設置して祀るという方がいらっしゃっても不思議ではないかと思います。
何らかの事故があった?
ただ単にお地蔵さんを祀りたいという目的で設置をしている場合は、特に問題はないかと思います。しかし、中には、何らからの事故があって、その供養のためにお地蔵さんを設置するという方もいらっしゃいます。
その中でも有名なのは、水子供養を目的としてお地蔵さんを設置するというパターンです。子供の中には、流産、中絶、死産などによって、この世に出てくることができなかった子供や、生後間もなく命を落としてしまった赤ちゃんを水子と呼んでいます。そういった水子は無念のために悪さをするとも考えられていました。
お地蔵さんは、そうやって母の愛を受けられなかった水子をを慈悲の心で包み込んでくださり、水子が再び、次の生をいただける時まで護っていただく役割をすると言われています。そのようなケースでは、子供を失ってしまった両親にとっては、思い入れの強いお地蔵さんだと言えます。
しかし、新しくその家に引っ越しをしようか考えている人にとっては、その思いが逆に負担となって、引っ越しをすべきなのか考えてしまう理由になってしまうかもしれません。
転居先にあった場合はどうする?
では、お地蔵さんが転居先の家の中にあった場合は、どうすれば良いのでしょうか?この場合、対処法としては以下の3つの方法が挙げられます。
- 撤去する
- 気になる場合は購入しない
- そのままにするという選択肢も
それぞれの方法について一つずつ解説をしていきますね。
撤去する
一つ目の方法はお地蔵さんを撤去するというやり方です。ただ、撤去をすると言っても、お地蔵さんですから、いきなり粗大ゴミに出すことはできないですよね。バチが当たるかもしれないという問題もありますが、それ以前に、石像は粗大ゴミとして出すことができません。
お地蔵さんのような石像を廃棄するには産廃業者に依頼をする必要があるんですよね。また、スピリチュアルな観点から見て、お地蔵さんを撤去する場合は、きちんとした手順を踏む必要があります。
位牌や仏壇などの供養整理について専門的に扱っているこちらのサイトでは、お地蔵さんの撤去方法について以下のような手順を伝えています。
- まずはお地蔵さんの関係者の同意を得る
- お地蔵さんの閉眼供養をする
- お地蔵さんを撤去(移設、処分)
- 祠(ほこら)や台座を解体・撤去する
お地蔵さんの閉眼供養をする際はお坊さんにお願いをするようになります。ここで扱っているのは、祠(ほこら)があって、その中でお地蔵さんを祀っている本格的なケースとなりますが、ここら辺はお地蔵さんの規模に応じて決められるのが良いでしょう。
気になる場合は購入しない
もし、転居先にあるお地蔵さんが、どうしても気になる場合は、その不動産物件を購入しないというのも一つの方法です。普通、お地蔵さんを家の中に立てるということはやらない人が多い中、そうすると決断するに至ったということは、よっぽどの事故があったり、思いを詰まっていたりした可能性が高いとも言えます。
新しい家に引っ越そうとする人の中には、そういった事情や思いの影響を受けることをあまりよく思わない人たちも多いですからね。
そのままにするという選択肢も
ただ、その一方でお地蔵さんを祀っていたら、縁起が良いと思って、そのまま住んでしまうという選択肢もあります。例えば、こちらの方は、京都で転居先を探していたところ、たまたま探していた物件にお地蔵さんが祀ってあったので、最初はビックリされたとのことです。
しかし、そのお地蔵さんについて近所の人に聞いたところ、この家に住んでいた人には様々な幸運が訪れていたという話を聞いたこともあり、お地蔵さんはそのままにして、家だけを新しく作り直したというんですね。
また、こちらのサイトでは、お地蔵さんはありがたい存在なので、そのままにして一緒にするのも良いのではと提案をしている人もいます。
地蔵菩薩は釈迦の入滅後、弥勒菩薩が降臨するまでの無仏の時代に衆生を救うと言われる、慈悲深くありがたい仏様です。一緒に暮らすのもいいもんですよ。
引用元:Yahoo!不動産
こういったお地蔵さんのプラスの面を考慮して、お地蔵さん付きの家であることをむしろ喜んでいくのも良いのではないでしょうか。
まとめ
この記事では、お地蔵さんが家の中にあった場合の理由や対処法についてお伝えしてきましたが、最終的にどう対応するかは、やはりお地蔵さんが家の中にある経緯をよく調べてみることが大切だと思います。
確かにお地蔵さんはご利益も多く、ありがたい存在ではありますが、お地蔵さんが立てられるようになった経緯を調べていると、不幸な出来事があったようなケースも多かったりするからです。そのような事情を知った上で、ご自身が納得できるような選択をされることを願っています。
お地蔵さんのことは分かっているようで分かっていないことが多いですよね。そこで、お地蔵さんにまつわる様々なお話をまとめてみました。
お地蔵さんに手を合わせてはいけないと言われてみますが、その理由を聞くとちょっと怖くなるかもしれません。
>>お地蔵さんに手を合わせてはいけないって本当?その真相に迫る!
お地蔵さんに拝みたい時はどうすれば良いのでしょうか。定番の呪文はあの言葉です。
>>お地蔵さんの拝み方!唱える言葉はおんかかかびさんまえいそわか
お地蔵さんを家の中に置く際はどこが良いのか、場所ごとに調査してみました。
>>お地蔵さんの置き場所はどこが良い?玄関など4か所を検証してみた
お地蔵さんのスピリチュアルな観点から見ると、意外な情報が出てきたりします。
>>お地蔵様のスピリチュアルな意味を解説!実は意外な側面も
お地蔵さんがある場所には、実はいろいろな意味が込められていることが多いです。
>>お地蔵さんがある場所には意味がある?場所ごとにまとめてみた!
広告
スポンサーリンク