セイタカアワダチソウという植物をご存知ですか?
この植物は、10月~11月が開花の時期なのですが、
この時期に花がムズムズした人達から、
「セイタカアワダチソウが花粉症の原因じゃないの?」
と言われることもあります。
実際のところ、どうなのかまとめてみました。
セイタカアワダチソウってどんな植物?
セイタカアワダチソウは、キク科の多年草
(個体として何年も生存する植物)で、
名前のとおり、1~3mぐらいの高さまで成長します。
河原や空き地などで大繁殖をしたりするので、
ススキと激しい縄張り争いをすることも^^
元々は、アメリカからやってきた帰化植物(外来種)で、
最初は、明治時代の終わり頃に観賞用として
持ち込まれましたが、第二次世界大戦後に、
アメリカから輸入した物資に種が付いたりしていたことが
原因となって、日本で大繁殖するようになりました。
セイタカアワダチソウは花粉症と関係ある?
「セイタカアワダチソウは花粉症の原因ではないか?」
と時々言われるのですが、結論から言うと、
科学的な根拠はありません。
その理由は、セイタカアワダチソウの花粉は、
風で運ばれるのではなく、虫を通じて運ばれる
(虫媒体)だからです。
実際、この時期の花粉症の真犯人はブタクサです。
アメリカ原産でキク科というところは、セイタカアワダチソウと
同じなのですが、ブタクサはセイタカアワダチソウと違って、
花粉は風媒体で、秋の花粉症の代表格と言われています。
ただ、一時期、マスコミからセイタカアワダチソウが
花粉症の原因ではと指摘され、一部の学者がそれを認定したため、
「セイタカアワダチソウ=秋の花粉症の原因」
というレッテルが貼られてしまいました。
ちょっと可哀想な話ではありますが、
一度、そういうイメージが付いてしまうと、
なかなかそのイメージを払しょくするのは難しいというのは、
世の中ではよくある話ですよね・・・
セイタカアワダチソウが嫌われる原因
またセイタカアワダチソウは、日本生態学会から
「日本の侵略的外来種ワースト100」
に選ばれたりするなど、悪者のイメージが強いです。
その理由は、セイタカアワダチソウが持つ、
アレロパシーという成分が、周辺の植物の
成長を抑制してしまうからです。
ただ、皮肉なことに、アレロパシーは、
一時期かなり増えたのですが、
自分自身の成長も抑制してしまい、
勢いを失ってしまっているところがあります。
その一方で意外な効能も
ただ、その一方で、セイタカアワダチソウは、
・アトピーの治療に有効
・入浴剤として使うと体の毒素を排出できる
という様々な効能が分かるようになってきたため、
その価値を見直そうという動きもあります。
濡れ衣を着せられたり、自滅したりしながらも、実はいいヤツだった(!?)
という波乱万丈な運命をたどっている、セイタカアワダチソウですが、
これから、もっとその研究が進んでいけば、
面白いんじゃないかなと思います。
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